邦題はカルタヘナ:黄金島.
「カルタヘナ」シリーズの「黄金島」というタイトルです.シリーズ第3弾らしい.
シリーズものだと分かる人にとっては問題ないけど,黄金島ってザックリしすぎてて,無知識の人には印象に残りにくくていけないかなとチョット思う.ただ内容とタイトルのマッチング的には直球でよろしいと思う.
さてこのゲーム,テーマがとても良い.
ゲーム性が邪魔しない程度だけ入っていて,プレイヤーに体験させたいことを上手く実現させているゲームである.と思う.
ボードゲーマーがよく口にするジレンマというヤツはほとんどなく,長期的,短期的戦略のどちらもハイリスクハイリターンとローリスクローリターンのどちらをとるかを選ぶ形になっている.言ってしまえば運ゲーの構造だ.ハイリスクをとって上手くいった人が勝つ.
運ゲーだがテーマがとても良いと結論するまでにはちょっと時間が要る.
ゲーム内容
12個ある島に上陸することで権利を主張し(島に権利タイルを置き),誰かが6つの島に上陸したら終了.この時,黄金島に上陸してなかったプレイヤーは敗北,敗北しなかったプレイヤーはその他上陸した島の宝のポイントを計算して最も得点の高い人が勝ち,という内容.
ただし,黄金島は12個ある島の内の一つだけで,どれがそうだかは誰もわからない.正確には「この島は黄金島じゃないという情報」だけが噂カードとして出回るのでこれを集めていけば徐々にわかっていく仕組み.つまり11個の(黄金島でない島の)情報を揃えた人だけ確実に知ることができる.ただこれはあまり意味はない.6個の(黄金島でない島の)情報を集めてから,それ以外の6つの島に上陸すれば敗北を免れることになるため,黄金島を特定する必要はない.
勝つためにはポイントの高い宝がある島に,それを有利に獲得するために素早く上陸することが求められる.宝のポイントも情報として仕入れる必要があって,目的の島へ素早く上陸するためには少しだけ上手くやる必要がある.
黄金島の情報集めと,宝のポイントの情報集め,目的の島へ素早く上陸することは同時にやろうとするには中々ままならず,(1)黄金島の情報集めを確実にしてから動く戦略は真っ当だが,(2)敗北のリスクを背負って確実に高ポイントを狙う戦略の方がリターンは大きいし,それも無視して(3)とにかく早く上陸をしてしまう戦略もさらにリターンが大きい(他のプレイヤーと相対的に).
どれだけの確率になるかはわからないが(他プレイヤーとのスピード差にもよるので),(3)の戦略をとって上手くいったら勝ち,という筋があるのがどうにも運ゲーであると言わざるを得ない点である.(3)は言ってしまえば何も考えてないのと同じだから….
そうなるとあとはこのゲームでお前は何を楽しみたいのか?という所に行きつく.高い偶然によるものでも1回の「勝利」が最大の目的であるという人もいるだろうが,そういうプレイヤーと一緒にやると,台無しになる類のゲームではある.
結局何が楽しめるのかというのを「体験」できることという観点でまとめたい.
体験できること
航海
このゲームでは航海ができる.
海上を動くようなゲームは数あれどその中でも高い航海感を体験できる.(私の無知の部分が大きいが.)
その要因の一つに「準備」と「出港」の対比が挙げられる.それは陸(カルタヘナ)での動きと海(カリブ海?)での動きとして実装されている.ゲームのメインはもちろん海で黄金島を探すことなのだが,実際野暮ったいまでに陸地での準備を強いられる.これはゲームとしての良し悪し(エレガントさ?)に対しては危うい点であるかもしれないのだが,その陸地での準備期間があることで,対比的に,海での動きに高い航海感が生まれるのである.特に海に出る瞬間,航海に対して強く自覚的になることができる.
さらに陸上の移動と海上の移動でプレイヤーが動かすプレイヤー駒がわざわざ別々になっているのが,その演出をより強めている.この駒を分ける必要は全くない.システムとしては.
上陸
このゲームでは島へ上陸できる.
上陸のためには,移動ポイントがピッタリのカードで移動してくる必要があるのは当然だが,権利書(なぜかカルタヘナで集める)を持っていなければならなかったり,上陸用のクルーが必要だったりする.例えば一定のルールに従って駒を置いていく陣取りゲームなどを想像していると,それと比べてとても面倒である.
確かに面倒なんだけど,ここにある手間こそが達成感を与え,上陸を体験させることに貢献している.
海賊
このゲームでは海賊ができる.
海賊はテーマであったかどうか忘れたが,海に出て黄金を探すとなればやっぱりそういうこともやりたくなるのが人情だろう.うん.
ここでは他人様から地図を強奪することができる.この地図とは黄金島でない島の情報のことである.人の持ち物を奪うのは楽しい.じゃあお前のそれいただくねと奪い去るのはとても楽しい.ジャイアンじゃなくても楽しい.しかしよく考えなくても奪われるのは単なる情報なのであって,奪われた側はどれが黄金島じゃないか覚えておけばいいだけなのだから,実は全然悔しくない(少なくともその時,その行為自体に対しては).奪うという直接攻撃的な楽しさが確かにあるのに奪われることに悔しさがない.コレって結構凄いシステムなんじゃないかな?
権利争い
あとこのゲームでは権利争いができます.
権利書パワー比べができる.とメモにあるけどこれはどういう意図だったかな….思い出したら追記しよう.
総評
テーマがとても良い.
ゲーム性が邪魔しない程度にあって,プレイヤーに体験させたいことが上手く強調してまとめられたゲームである.
全体を通してどれくらいギャンブルするかがプレイヤーの意思に委ねられるので,運ゲーであることは否めないが,上の点でカバーしたい.(ちなみに私は単に運ゲーでも好き.)
ゆえにまずプレイヤーはこのテーマを楽しむこと,言い方は悪いが,結果は二の次で雰囲気と過程を楽しむべし,だろう.もちろんいい加減にやれというわけではなく,自分の理想の勝利のスタイルを求める中で楽しむべきである.その中でちゃんと勝とうと思うなら,相手のスタイルを気にしてうまいラインを探ることは必要になる.
繰り返し遊べるかどうか,同じ面子で続けて遊ぶのはどうだろう.体験に十分満足してしまうと運ゲーしだすと思う.運ゲーするにはちょっとゲームが長い.忘れたころに,新しい面子を入れてなら十分に繰り返し楽しめる思う.実際そうしたいと思っている.
色んな人にやってもらうという意味で非常に回しやすいゲームだと思います.ルールも難しくなく,ボードもカードも駒もバランスよく使うのでライト層に良いかな?どうだろう.
持ち主にとってみれば箱が小さくて持ち運びやすいのは助かるな!!
このWinning movesのシリーズ集めたいなーと思っている.安いしね.
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