今現在,キャトリコラというゲームがどういう状況にあるのか整理するために,ここまでの経歴を辿ることにします.長い上に特にまとまっているわけでもないので,これまでの画像集ぐらいに思っていただければ幸いです.
記事の最後に「受注生産」のようなものの話があり,そこが主題だったりします.
現在に至るまでのキャトリコラ
2013/5中旬
原案が出来る.
企画名は「グロウ」.
“アクションを「成長」させて発動することによって効率の高いアクションができるが,アクションの効果が限定的になるので,読まれやすく邪魔をされやすくもなる.”というシステムコンセプトがスタート地点でした.
特にルールにこだわりはなく,次のような仮のルールを作りました.
- 「ピック」とピックの範囲を大きくする「グロウ」のどちらかを手番で行い,場の駒を取っていく.
- 取った駒はついたての中に隠し,最後に種類ごとのマジョリティによって得点を計算する.
- 装飾的なルールとして,一度に取った駒の組み合わせによってボーナスがあったり.
2013/5下旬
第4回「イリクンデパーティ」にて突発テスト.
人数(2人~5人)によって使う範囲を変えるフィールドボード1枚と,「グロウ」用のアクションボード1枚を仮に作成しました.
平均的な駒取得個数を揃えるために,人数によって広さを変える仕様.基本的に取られると駒がなくなる一方なので,空になった黄色いエリアから取ろうとしたとき,ボーナスが得られるようにした.具体的には,グロウレベルを好きなときに1上げられるコインを貰える(だったと思う).
//この辺りのルールは後になくなったが,別の形として面影は残っている.
そしてこれがグロウボード,レベル1は1か所から駒を取るアクションができる.「ピック」をするとレベルが初期値に戻る.同時に獲得した駒の組み合わせで得られるボーナスがあるため,レベルを上げると同時にピック出来る範囲が広がり少しお得.同じピックの形にグロウできるプレイヤー数に上限がある(丸印)というのがこっそりインタラクションを利かせていた.
//このルールも廃止されたが,自由な形を作れるものに継承されている.
このテストに際して,駒を準備するのを忘れてた代わりに「2人用アグリコラ」の動物駒を使うことにしたことが今のテーマになったきっかけです.
「駒を取るだけというのはシンプルで楽しい.」「動物駒を取るのがそもそも楽しい.」それを邪魔しない程度のアクションシステムであったと思います.普通に楽しめたがもっとなんとかしないと,という状態でした.
2013/6上旬
自分の中での通称が「キャトリコラ」になりました.
2014/1上旬
企画名が正式に「キャトリコラ」となりました.
動物駒を作るor調達する現実的な方法(例えば20円で100個だと2000円!)がなかったため長らく凍結していたが,タイルが作れる環境が整ったため再開始動しました.
そして,テーマに寄せたシステムを設けてテスト.
変更点は次の通り.取るだけ,に加えてパズルゲームの要素が加わりました.
- 準備では,5*5のスクエアの牧場ボードを人数分繋ぎ合わせて配置し,全てのマスににランダムに動物タイルを性別がわかるようにして置く.余ったタイルは使わない
- さらに各人は,個人ボード(宇宙船)とチャージマーカー5個(キューブ)を受け取る
- 手番では,「チャージ」か「キャトル」か「動物入れ替え」を選んで実行する.
- 「チャージ」はレーダーにチャージキューブを配置する方法によって自由な形(ピックエリア)を作る.
- 同種の雄雌を隣り合わせで配置するとポイントが上がったり,オオカミがいると周りのヒツジやブタが死んでしまったり.
2人でやってみたり.
1人で回してみたり.
終了時の種類別のマジョリティにより,(負けた人の)取った動物の一部がいなくなり,残った動物の数で競うというルールの大枠はここで固まりました.
//終了時のマジョリティ争いは後に廃止
「キャトリコラ(仮)。動物を取ってくる(キャトる)だけのゲーム。前回バージョンからパズル要素が加わって楽しい。」というのがこのときの感想.
パズルにすることで,より目的指向性を強めた感じです.
フィールドボードも25マスのモジュラーボードにし,人数分使うという方向に単純化.
3人だとこんな感じになる.
この日は少しじっくりテストを行い,「チャージ」部分のシコリを取り除きました.これは今も目立たないものの要として生きています.
「キャトリコラ(仮)。一個だけ挙げられたシコリのような部分はすごく簡単な方法でエレガントに解決しました>各位。ひとまず完成。」とこの日は言っていたが,マジョリティ争い周辺のシステムのスッキリしなさがこの後ずっと引っかかったままでいました.
2014/1下旬
埼玉と東京の狭間の某所でテストプレイ会.密会.
どんな意見を貰ったか忘れましたが,あまり手ごたえを感じなかったのと,自分の中でのモヤモヤが晴れていない状態でした.
2014/2上旬
豪雪の中,クローズドテスト会.超密会.
この辺りの時期がクローズドテスト会の隆盛期でした.外に出てテストしてもらおうの精神です.
「チャージして取る部分が非常に楽しい.」「(起伏として?)ミステリーサークルなんかを導入してみてはどうか.」という,後のモチベーション維持にすごく貢献することになる言葉と,楽しさアップのアイデアをいただきました.
2014/9上旬
住居環境が変わり,ようやく落ち着いて制作できるようになったため,止まっていたものを動かす.(厳密には一度どこかでミステリーサークルルールを導入してテストした覚えもある.)
終盤の詰めはともかく,完全情報ゲームとして,序盤の「どうしていいかわからないからなんとなく打つ」となっていた部分をどうにか打破しようとする.
数日間,家の机の上にセットアップ状態のゲームを放置し,どうあれば一手目からによによできるかセットアップ状態と睨めっこしたりしました.
2014/9中旬
動物の種類ごとのマジョリティで得点をつけるのをスッパリやめ,隣接関係により残るか,残らないかだけに注力するように単純化した. 単純化というよりは最終形でのインタラクションを廃したというほうが正しいか.つまり,目標を明確にし,インタラクションをゲーム中だけに絞ったカタチに.
よりパズル感を強める方針に合わせて,パーフェクト達成が簡単になり過ぎない程度に制限ルールなどを検討.タイル配分も微調整.
この辺はキレイにまとめられたと自負.再びの完成を見ました.
ホッとした反動に「磁石で動物をきゃっちしたらどうかな...」なんて絵空事を呟いたら,思った以上に反響があり,乗り気になってしまいました.
2014/9中旬
磁石でキャッチ!を試す.
「これは楽しい」と確信しました.
反響もありました.
テーマの割に,完全情報のガチゲームで地味な面白さ(個人的にはそれで問題なく好きなのだが)があったものに対して,楽しい路線を加えられそうな兆しが見えました.ただ楽しいだけなら見送りだった(コスト面など諸々)のですが,従来,チャージしたエリアの形に沿って取るという操作が実際少し手間だったこともあり,その点が解決されるという利点もあったので,本気で検討することになりました.
2014/9下旬
動物タイルをマグネット仕様にすることで,好きなところに貼ってよし,遊んでよし,というグッズ的価値を付加する構想を嬉々としてメンバーに語るも,後日すぐに,断念することになりました.マグネットシートが思った以上に弱くて><
2014/10上旬
ワッシャーが大量に届く.
動物の方に金属を仕込むしかないという結論から,コスト諸々を考慮し検討した結果,ワッシャーをタイルで挟むという方法に決め,早速注文しました.
単価はそれほどではないとはいえ,100枚の動物タイルともなると,油断するとかなりの金額になってしまうので注意が必要でした.
後日,金属を仕込んだタイルを試作.
アートは仮,貼り付けもセロテープ(ノリが無かったため),カットもハサミという見栄えの悪いものでしたが,持つと流石,ズッシリとした重量感が感じられ,とても良いものになりそうという感触を掴むことが出来ました.
2014/10中旬
ルールの微調整.
制限が強く,慎重にプレイしないと脱落してしまうことを改めて問題として,再度調整をしました.
周辺のルールも柔らかめな方向に調整を加え,誰でも遊びやすい(思考は単純)が,ガチでも遊べる(工夫し甲斐がある)バランスになったと思います.
このゲームのテストプレイにいつも付き合ってもらったLightは常に上手く,私は毎回負けています(汗).
その後,タイル作成の練習を兼ねて駒を量産.
キャッチデバイスも試作してみました.
アートが中途半端ですが新しくなっています.四角形なのは,パンチが手元になかったためです.ちゃんとしたタイルでキャッチしてみたところ,クリップの時よりも楽しさを感じられました.
しかし!磁石の「磁界」には思った以上の難しさがあり,結局このデバイスは没になりました.運用が少し煩わしいという問題もありました.
2014/10下旬
今現在ですが,キャッチデバイスの設計代案の検討・作成と単体テストを完了し,本番仕様で作ろうかという所です.統合でコケたら笑って下さい.
それとは別に,動物タイルの本番デザインができました.
カワイイッス!
2014/10下旬
実家にてお日様の下DIYがとても捗る.
キャッチデバイス15-00が出来上がる.
これまでに想定していた透明PPデバイスでは(1)磁石同士が反発して(引き合って)動いてしまう,(2)磁石の重みでたわむし薄くて持ちづらい,(3)分厚くすると磁力が弱まるなどの問題が多く見つかったので,厚手のボードに穴を開け,磁石をはめ込む方式を試作しました.
その辺にあった磁石を使ってみたところ・・・ピッタリ填まってキモチイイ!(同型のマグネットは現在販売されていないため別のものになります)
というわけでキャッチデバイスはこれで行くことになりました.
(実際には別仕様のデバイスをいくつか経たのですが,問題,問題,問題の連続だったので記憶がごちゃっとしています)
2014/10月下旬
現住居に実家から様々なデバイス&部材を運び込み,作業が開始される.
ひとまずは新しいデザインで動物タイルを一式作ることに.
ワンルームマンションの玄関で休日日中にパンチングしました.一気に200枚.
苦情が来なくて本当に良かった(汗)
そのままの勢いで,表面タイル+ワッシャー+裏面タイルの接着作業に取り掛かりました.
結果,外装の缶缶と合わせてsurfaceよりちょっと軽いぐらいになりました.(測ってないけど800グラムぐらいかと.)
実物のタイルができたので,ようやく箱の高さにも収まりそうなことが分かって一安心でした.
本番機を使ってキャッチを試してみる...楽しい!
あ,外箱の円形に合わせて個人ボードの宇宙船が本当に円盤型になりました.その名も「円盤ボード」です.UFOは未来型ガジェットであるという思想なので,とても簡素なデザインなのです(デザイン力の問題じゃないよ!!!).
2014/11上旬
一部デザインを除く,ほぼ本番仕様のコンポーネントを一式使ってテストプレイ!初キャッチはたぎる!
あろうことか1キャッチ目から,誰にも邪魔されたわけでもないのにミスしたり,その後もミスを連発して,勝負のほうはとてもダメダメな感じでした.しかし楽しかったのでヨシ,でした.完全に浮かれてましたね(言い訳じゃないですよ!!).
テストも完了し,ルールブックのドラフトもまあまあだったので,安心して次のステップへ進みました.
量産です!RYO-SAN-DEATH!
B31枚でちょうど1セット分の動物タイルが抜けます.
あとはひたすらパンチパンチ!!
暑くもなく,寒くもなく,風も穏やかで,蚊も少なく,外から絶対に見えず,防音もそこそこ,腰の負担も極めて小さい,そんなおあつらえ向きな近所の屋外の公園の一角で,レジャーシートを広げてひたすら叩きました.
これが2セット分.体力的には連続だとこれぐらいがイイトコです.
そういうわけでこの作業は日を置いて休日に少しずつ作る作戦にしました.この調子でいけば,GM秋までに8セットが出来る計算です.(多分無理です.)
夜は夜で別の作業が待っています.
例えば「牧場ボード」作りです.線引いて切るのはいいんだけど・・・
ミステリーサークルは手描きなのだ!(ええー
なんか見たことあるヤツ!
そんな遊び心をいれながら,1セット分が完成.
この図案は1つずつ変更可能なので(全く同じに描けないともいう…),リクエストを受けれたりしちゃいます.なんかもっと良い図案があれば教えて下さい.
2014/11上旬
ようやくデザインも固まったので,ここでルールブックを書きました.そしてこのページ下部で公開しました.
最も注目すべきところは,今までと構成がちょっと違う所です.
具体的には,「キャトリコラ」をただのゲーム用具としました.しかしそれだけでは困ってしまうので,そこに「“公認”ルール1」を付属させました.
この二つだけだと普通と何にも変わりはないのですが,ルール2が増えたり,“非公認”のルールが追加されたりするかもしれないということです.
なぜこんなことをするかというと,理由は一つです.「マグネットでキャッチ出来るギミックが導入された影響でゲームを超えて“遊び道具”になった」ので,これまで磁石を想定せずに考えてきたルールの他に色々と楽しい遊び方が出来るんじゃないかと思ったからです.
いつになるかは(本当にやるかも)わかりませんが,ルール1だけじゃない遊び方を提案していけたらいいなと思っています.
その意味を込めて,今回公開したルールはちょっと変わった構成になっています.
(つづく?)
受注生産っぽい話
さて,何個作ろうか?というところで,楽しいものが出来たと思いますので,欲しいと思われる方もそこそこいるのではないかと思いました.気のせいかもしれません.
元からごく少量生産しか考えていないとはいえ,時間を少しもらうことで,ちょっとずつでも出来るだけ多く希望する人の手元に届けたいという気持ちがあります.
時間の問題は少し待ってもらって私が頑張るだけで解決しますが,材料の調達の問題は発注の段階である程度部数を見込むことで,手数料送料などの誰も得しないコストを削る必要があります.
単価が安く外注できるものであれば,多く作り過ぎても在庫がかさ張る程度で済みますが,完全手生産のため,余分に多めに作ることは難しいです.
そういうわけで,「受注生産」に近い形を取ろうと思っています.
そのために想定している受け渡し日やその方法は,通常の「お金と引き換えに物を受け取る」だけの単純な方法よりも面倒がかかります.なので,大々的には呼びかけせず,この記事を見たり,現物を見て(GM2014秋で試遊できる予定です),すごく気に入り,多少の手間がかかっても(いつになるかわからなくても)手に入れたい,という方を対象に「受注生産」を受け付けようと思っています.
【お渡し時期】GM2014秋終了後~,製作出来次第(1個ずつ手生産します)
【お渡し方法】関東圏ならオープンゲーム会などに呼んでもらえたら都合が合えば伺います.応相談で柔軟に対応します.
【受付時期】現在~GM2014秋最中(コミティア110+X4でも予定)
【頒布価格】2人用:1500円ぐらい,2~4人用セット2500~3000円ぐらい.
【注意】外箱に上等なものは用意しません.GM2014秋の予約ではありません.生産はなるべく急ぎますが私の無理のないスピードで進みますので気長にお待ちください.
【連絡先】Twitter:@sounio120,メール:sounio120(あっと)gmail.com
※受け付けは期間内でも予告なく終了する可能性があります.
「本当に欲しい人に出来る限り届けたい」を基本理念としています.相談してもらえたら例外的に対応できることもあるかもしれません(例えば,地方からGMに参加する人に対してGM渡し出来るよう頑張るとか).気軽に連絡ください.
内容物(&公認ルール)
- 2014/11/26 一部修正
- 2014/11/4 公開
※内容物は予告なく変更される可能性があります.ご了承ください.
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