2015年4月20日月曜日

『しまんちゅ』というゲームの紹介

基本情報

タイトル:しまんちゅ

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:45分~

ジャンル:島ぐらし職人体験のボードゲーム

作:yio / イリクンデ

しまんちゅ

 

内容物

ゲームボード

土地カード 33

建物カード 20

客カード 8

収穫マーカー 適量

プレイヤーコマ 4

勝利点マーカー 4

商品マーカー 20

スタートプレイヤーマーカー

ラウンドマーカー

ゲームサマリー 4(*第二版から)

紹介

『しまんちゅ』は「ゆったりと時が流れる島暮らしというテーマ」と「独特な手番/MP(移動ポイント)のマネジメントが必要とされるシステム」が混ざり合って生まれる不思議な時間感覚を味わえるゲームです.

 

しまんちゅ

プレイヤーは客の需要を把握して,それを満たすことができるように自分の島を開拓し,素材を収穫し,商品を製作します.

他のプレイヤー次第では,思い通りに商品が売却できないこともあります.

上手くプレイするためにはタイミングよく商品を製作することが重要で,タイミングがかみ合わなそうなときは無理に手番を実行するのではなく、いち早く「スローライフ宣言」して次の行動力を溜めましょう。

 

以下,ちょっと突っ込んだ(マニアックな)話です.

その前に,ザックリとした紹介はコチラ→ボードゲーム「しまんちゅ」の紹介 - Togetterまとめ

現在,第二版になりました→『しまんちゅ』第二版について

 

スローライフがちょっと新しい

MP(移動ポイント)は活動の源です.

ラウンドと呼ばれる区切り(全5ラウンド)では,はじめに一定のMPが得られます.

限られたMPをやりくりして効率的に立ち回るのが基本です.別のゲームではAP(アクションポイント)と呼ばれたりしているものとほとんど同じ性質ですが,特に移動がかかわるものだけに必要になるので,MPとしています.

こういったポイントは消費を最小限にすることで効率を上げますが,しまんちゅではちょっと違います.

MPの使いどころは「開拓」と「収穫」です.支払うMPは自分の島の「庵」(※庵は拠点です)から遠くの場所で開拓したり,遠くにある土地から素材を収穫するほど多くなります.ここでMPの支払いを最小限にすると拠点近くの土地(建物)しか利用できなく,戦略の幅が狭くなります.逆に,MPをケチらなければ戦略の幅が広がります.ただし,MPの消費量が多くなると早くにやれることがなくなります.

ここで「スローライフ」の概念が登場します.

ラウンド中にMPが尽きてやることがなくなったら(戦略によってはなくなる前でも),「スローライフ宣言」をすることでスローライフに突入します.スローライフの説明は簡単で,手番が回ってきたら1SPを得るというだけです.

SPはスローライフポイントのことで,SPは次のラウンドのMPに追加されます.

つまり,MPの多いアクション(戦略の幅の広い動き)をしても,さっさとスローライフに突入してしまえば,次のラウンドはMPが多い(有利に動くことができる)状態ではじめるられるのです.

では,MPをたくさん使って早めにラウンドを終えるのがセオリーなのか?というとそうでもありません.

客への売却は(基本的に)ラウンドの最後に処理され,その時に需要のある商品はあとから製作されたものが優先して売れるのです.

 

・・・ご健闘を祈ります...!

 

カードテキストがちょっとある

しまんちゅ

土地カード,客カードにはテキストはありませんが,各自各種1枚ずつ配られる5種の建物カード(上写真)にはちょっとテキストがあります.

で,なんでこんな話をしてるかというと,私自身カードテキストがあんまり好きじゃないのですが,このテキストには難しいこと書いてないよー,怖くないよー,と言いたいのです(笑).むしろちょっとインストのときに役立つ情報でもあります.というのもインストでは細かめのルールの説明は落としがちですよね.建物カードはそのルール(制約等)を変更する効果をもっています.例えば...

庵のアクションで,小舟を建造すると,海をひとつ越えられるようになります.これは,土地を開拓する際,海地形の土地や建物の先にはカードを配置できないというルールをすこし破れる効果です.

別の庵アクションで,倉庫を建造すると,収穫した素材をラウンドを跨いで持ち越せるようになります.これは,スローライフに入る際,使用しなかった素材を破棄するというルールを破れる効果です.

舟がある→海に関する何らかのルールがあるのでは?,倉庫がある→素材の保存に何かルールがあるのでは?というのを想起させることと思います.

  • 民宿

民宿のアクションで,魚料理を作ると,魚料理の数比べで商品を売却する優先権を得ることが出来ます.これは,商品を売却する際,あとから製作されたものから先に売れるというルールに対抗できる効果です.

また,魚料理があると,売却(大満足)にボーナス点が入ります.これは,客の需要を完全に満たした時の特別なルールに対して補強できる効果です.

魚料理で優先順がとれる→優先順が重要そうだ!,売却(大満足)というのがある→大満足というのに注意してみよう!と,見る人によっては細々と見えてしまうルールに注目させられる(=プレイのポイントが見えやすくなる)のに貢献すると思います.

  • ファクトリ

ファクトリがあると,毎ターン製作アクションが追加でできることと引き換えにスローライフに入ってもSPを得られなくなります.これは,通常3ターンかかる製作までの手順を2ターンに短縮するというわかりやすく恐るべき能力ですが,SPが得られないことが引き換えになるということで,SPを得る(得られない)重要性に気付かせるはずです.前に書いたように,実際,MP消費の最小化だけでなく,SPの獲得までを考慮することはかなり重要なのです.

 

遊び方説明書

しまんちゅ遊び方説明書v2(PDF, 約2.2MB)

簡易サマリー

暫定ですが手順を記したサマリーを公開致します.印刷してご利用ください.

なにかご要望があればアップデートを検討します.

https://www.dropbox.com/s/0ckub24ovf664a8/shimanchu_summary_v2.jpg

しまんちゅサマリv2

Q&A(ルール明確化など)

  • Q1.アトリエ,民宿の+VPの効果は,客ごとですか?商品ごとですか?

A.商品ごとです.同時に複数個売れればそれだけ追加でVPを獲得します.

  • Q2.民宿の最終得点の記述はカードとルールブックでどちらが正しいですか?

A.両者別の書き方をしてしまって申し訳ありません.どちらも正しいです.カードには1個目2点,2個目3点,3個目4点と表記されており,ルールブックには合計1個なら2点,2個なら5点,3個なら9点と累計で記載しました.

  • Q3.アトリエの条件を満たしてスケッチを製作したあと,開拓によって条件が満たされなくなった場合,スケッチはなくなるのでしょうか?

A.いいえ,スケッチはなくなりません.

  • Q4.土地カードストックが海岸だけの場合,何か処置がないのでしょうか?

A.特別な処置はありません.

  • Q5.レシピ一覧が欲しいです

A.一覧はあげませんがレシピの総数の分かる(?)図を作りました.しまんちゅレシピ一覧簡易

  • Q6.土地カードストックや相手の島の土地カードに描かれたレシピを利用することはできますか?

A.できません.(1)収穫した素材そのものと(2)追加で必要な素材を支払うことで,その矢印の下に記された商品を製作することができます.レシピを複数もつ素材は”良い”素材であるという風に考えると理解しやすいと思います.つまり特定の土地で収穫されたから良い素材なのであり,良い素材だからこそたくさんのレシピに対応できるということです.

  • Q7.売却(大満足)は全てのプレイヤーの商品が対象ですか?

A.はいそうです.大満足の判定は商品を誰のものと区別せずに,とにかく需要に記載された商品全てが商品棚に並んでいるかどうかを確認します.

  • Q8.大満足発生以降の手番で,待機列先頭のカードに対して大満足のチェックを行いますか?

A.はい.待機列先頭の客が大満足したら二番目にいた客が先頭の客となり,以後その客に対して大満足のチェックを行います.

  • Q9.ファクトリ弱くないですか?

A.いいえ.ファクトリも代替のきかない強力さを持っていますので,ぜひ色々な使い方を考えてみてください.ただし,民宿,アトリエ,ビーチハウスと比べるとそれ単体ではそれほど強くないかもしれません.状況の見極めが重要です.

 

頒布について

第二版をイベント価格,3,000円で頒布します.

予約について

ゲームマーケット2015秋での取り置き予約をはじめました.

 

特典について

まずはGM2015春でプロモーションカードを1枚以上配布します.

これはゲームで使える建物カードですが,内容とどのように配るかはまだ未定です(カードの枠が余ったのでとりあえずいっぱい種類を作ったのです).

しまんちゅ

2015年4月19日日曜日

『しまんちゅ』取り置き(GM2015春)

ほとんどのコンポーネントが手元に届き、GM春での頒布の見通しが概ね立ちました.

取り置き受け付けフォームを用意しましたので,ご希望の方はそちらから必要事項を記入して送付いただきますよう,お願いいたします.

ものが大きく当日の搬入数の見積もりの参考にしますので取り置きをご利用いただけると助かります.

 

  • 取り置き受け付けフォーム

『しまんちゅ』取り置き受け付けフォーム

https://docs.google.com/forms/d/1CAT9E-BjrA_czbGPp6GoeAB_Se2XwSFqV7QV94km2hM/viewform

※取り置きの形態など予告なく変更される場合があります、ご了承ください。

※価格に関しては3,000円(イベント価格)から変わることはありません。

※スペースNo.は「I10」です。「あいじゅー」です。

参考:http://gamemarket.jp/

 

  • 私のつたない紹介

全体の雰囲気をつかめる→ボードゲーム「しまんちゅ」の紹介 - Togetterまとめ

マニアックでうんちく的な内容→『しまんちゅ』というゲームの紹介

2015年4月1日水曜日

『七つの紋章、七つの部族』取り置き(GM2015春)

※4.11に締切ました.別途お問い合わせがあれば対応できるかもしれません.

製作元締めである高天原さんにわがままをお願いしまして、イリクンデでも『七つの紋章、七つの部族』を取り扱わせていただくことになっています。

そういう訳でして、ゲームマーケット2015春に持ち込みする予定なのですが、持ち込みは予約分をメインに据えようと考えています。当日分は少しだけ。

というのも、別の新作の製作も進んでおり、そちらでとても場所が食いそうなので、持ち込みの容量を絞る意味合いもあります。

早速ですが、取り置き受け付けフォームを用意しましたので、ご希望の方はそちらから必要事項を記入して手続きいただきますよう、お願いいたします。

 

  • 取り置き受け付けフォーム

※4.11に締切ました.

※取り置きの形態など予告なく変更される場合があります、ご了承ください。

※価格に関しては1,500円から変わることはありません。

※四月上旬で一旦受付を〆る予定です。

※「スペースNo.はI10」です。「あいじゅー」です。つづり分かりにくいですね^^;

参考:http://gamemarket.jp/

 

  • 私のつたない紹介記事

辛いだけじゃないトリックテイキングゲーム『7つの紋章、7つの部族』

 

  • 遊んだ方のツイッターでの反応

[キーワード検索1] [キーワード検索2]

2015年3月11日水曜日

第8回「イリクンデパーティ」レポート

今回は3/1がちょうどGM大阪ということで,その裏で開催する予定だったのですが(ぇ),1か月以上前に電話したにもかかわらず会場が予約できず,泣く泣く次の週に変更して無事(?)TTPさんの裏での開催になりました.

お蔭さまでGM大阪の新作もプレイすることが出来たし,告知も1週間早まったからか,たくさんの方に参加していただけました.

数えてみると今回集まったのはなんと14人!過去最高でした.

これまでのイリパ皆勤賞のショーナンは不参加でしたが,代わりに送られてきた埼玉からの四角,いや刺客,ことロッカクだんごのだんごさんとショーナンのグラムさん含めて,初参加者は5名でした.

場所を前回から全く新しくし,埼玉と東京の狭間で行ったのも要因だったでしょうか.

さて遊んだゲームについて書いていきましょう.

 

七つの紋章、七つの部族

このゲームはコンポーネント原案が私yio,ルール作成が操られさんこと常時さん,それに素敵絵師のわとさんを加え,高天原さんによって世に産み出された東西合作の一品です.

なぜこんな複雑なことになったかの経緯などはそのうち誰か気が向いた人が書くとして,上のように紹介されるたびに私が非常にこそばゆい思いをしてきたのでもうやめてください.

このゲームの紹介は前の記事で触れたのでバッサリと割愛しますが,面白さの功績は全て常時さんにあります.すごいですね.感心しきりです.

製品化に伴い雑務をこなされたたなやんさんと,素敵なイラストを提供して下さったわとさんも大変お疲れ様でございました.

この日は私自身は初めて製品版のコンポーネントでプレイしました.

さっぱりとした部族カードと対比されて紋章カードの存在感はバッチリで,それを集めたくなる感じは高いです.

このあいだ,3人でプレイする機会があったときより,人数が多い分,誰がどのカードを持っているかが読めなくモヤっとした感じで終わったんですが(負けたし),チームメイトとの連携がたまたま上手くいかなかったせいと思っていたんですが,この理由にあとで気づきました.

ディール最初のチームメイトとのカードの交換をやっていなかったと.

完璧に私のインストミスでした.やっちゃったな~・・・.

でもまあ,私トリテ苦手なんだけども,このゲームでは勝つために何とか足掻ける気がしていて,トリテ入門にいいな~とずっと思っています.お試しあれ.

 

正体隠匿ゲーム

    詳細は伏せますが,秘密裏に役職と特殊能力を1つずつランダムに受け持って,役職に応じて2チームに分かれる正体隠匿のゲームです.

    基本2種類のアクションとブラフを巧みに操っての短期決戦のゲームです.誰か決定的な行動をとったら最後,アッと言う間(もって1巡)に決着がつきます.

    この正体が暴かれるかどうかの瀬戸際から始まる感覚は前作『蜃気楼の12時間』をよりシャープに絞られたもののようで,そこまで来たところで,『赤富士』(すぷりんぐまん作)というゲームを思い出しました.そちらはアクションの種類がダイスによって決まるダイスゲーなので運もあり個人的にはダイスゲーの方が好みだったりします.

    このままでも悪くないと思うけどショーナンならもっと磨いて来れるはずです.

     

    Alice In The Mad Tea Party

    発売年を見ると2011とあります.ラブレターやプレゲームMajority2もこの辺だったように記憶してます.おしゃれ封筒パッケージ,流行だったんでしょうか?

    Alice In The Mad Tea Party

    ペーパークラフトのテーブル(4x4マスのボード)の上に,これまたペーパークラフトの茶器や花瓶など(コマ)を並べていくゲームです.組み立てたコマの底がちょうどボードに空いた穴に刺さるようになっていて,穴に刺さない限りコマは安定しないので,そのあたりがテーブル上に並べたい欲を掻き立てます.

    2~4人用の4目並べですが,並べるべき4つのコマはアガり役として色や種類で指定されています.それも複数あって,例えば全部同色とか,全部違う色とか,カップ+カップ+ポット+ポットとかそういう感じです.さらに各人その人だけがアガれる役カードを秘密裏に1枚持っています(誰かの手番で役が完成したらアガれます).

    ポイントは手番の人が好きなコマを選んで置けるわけではないところで,置くコマは前の手番の人が選びます.

    前半は,まあ,誰もアガらないように気を付けながらコマを選ぶし,場所を選んで置くんですが,後半は置ける場所が狭まってくるので避けられなくなってきます.ようはこの終盤への持って行き方に苦悩するゲームになるわけです.中々多人数でもちゃんと遊べそうなアブストラクトゲームだと思いました.

    何よりペーパークラフトの見た目は良いですし.

    1点気になったのは,個人の役カードが配りきりという点です.全部配りきりなので,自分が持っていない役は誰かしらのアガり役になることが決まってしまうので,必ず避けるべき対象になりますよね.これだとあまり共通役と区別されないと思います.なので役をもうちょっと増やすとかですかね.そうすると,置き方を見てどの役を狙ってるか推理する意味も出てくるんじゃないかなと思いました.

    まあそれよりも,まずは,4人プレイの場合はチーム戦にしたら間違いなく普通に遊べると思うのでそれだけでも良いかもしれません.(3人プレイなら役カードは必然的に余るので問題なし.)

     

    手札を配る前に1枚だけ抜いたカードが何かを推理するゲームです.

    落ち着いた和のテイストのアートワークで,推理というゲーム性もあってまったりと軽いゲームなのかと思いきや,推理力以上に記憶力が要される大変なゲームでした.

    しかも,ゲーム終了条件に達するまで,数ラウンド繰り返す類の記憶ゲーです.こりゃあ大変.

    実はそんなに記憶力のゲームじゃないんだよ,っていう主張もあるかもしれませんが,ならば私にだけメモ用紙とペンを下さい(笑).

    ルール自体は至って簡単で,手札の構成に関する2種類の形式の質問のいずれかを任意の相手に向けてしていく,という手番を繰り返すだけです.

    カード総数も少なめでルールも少なめで,しっかりと推理,記憶のゲームを遊べるという点では中々良いゲームなのではないかと思います.

    覚えるのにテンパっていて写真を取り忘れたので,代わりに推しゲーのレア版(初版?)の写真を載せてお茶を濁します.

    忍者対戦版比較

    箱がたいぶ小さくてかわいく,中のカードもプリンタ印刷(?)な装いでした.貴重なものが拝めました.そういえば特殊ダイスはどうなってたかな・・・?

    あっとよく見たら「忍者大戦」になってますね.

     

    • ドラゴンクエストカードゲーム大格闘技場

    ドラゴンクエストカードゲーム大格闘技場

    ドラクエのモンスターがそろい踏み,ファンには嬉しいキャラゲーです.私はドラクエ未プレイでファンではありません.が,「バト鉛」の影響でちょっとだけ親しみがあります.

    ドラゴンクエストカードゲーム大格闘技場

    ゲームはビッド式のトリックテイキングゲームです.マストフォロー,と言えなくはないですが,1枚のカードにとりあえず全スートの強さが書かれているのでフォローできない場面はありません.リードプレイヤーが上から何段目の数値で勝負するか決めて,全員1枚ずつ出して進めます.

    ビッドは手札を見て何勝できるか宣言して,的中すればボーナス10点が得られます.それに加えてトリック数がそのまま得点になります.

    フォローのルールは直観的でわかりやすいですね.元々こういうルールのトリテがあって,スートが1つずつ書いてある今のトリテが生まれた,と言われても納得してしまえそうな感じもします.

    プレイ感は別に普通です.

    絶対勝てるカードが1枚あるので,それで嫌がらせを受けた不運な人はビッドを外して凹むことでしょう.今回はそういう意地悪も起きず平和でした.

     

    教授ヘアーサロンへようこそ

    植民地戦争+α,エヌ氏の次期新作ゲームです.

    カードもパッケージも刷り上がっていてすでに万全?といった感じでした.早い.

    以前にテストしたときは,テーマがありませんでしたが,私の予想の斜め上を行く,コミカルなテーマが乗せられていました.

    なぜこのテーマになったかは全くの謎です.謎のままにしておきましょう.

    計算ゲームです,手早く計算をして自分を有利な状態にして手番を終えましょう.なぜ手早く計算するのか? 砂時計があるからです.

    砂時計がなければ,様相は一変し,囲碁のようなアブストラクトをしている気分にすらなります(yio談).砂時計の導入により,一転して慌ただしくなったそのゲーム性は今回加わったテーマとマッチしているように思います.

     

    • ブループリント(Z-man)

    ブループリント

    ダイスを積むゲームです.

    手番では共通のダイスストックから1個とり,自分の青写真カードの上に建物を建築するかのように積み上げていきます.

    ダイスの上にはそれより目の小さいものは重ねられないという制約の中で,青写真通りに建てるゲーム,かと思いきや,ボーナスポイントが入るだけで,基本的には,置いた6個のダイス1つ1つがポイントを生みます.例えば,緑なら緑の個数が多いほど高得点,黒は高い位置に積まれるほど高得点,白は目がそのまま得点,などです.

    各ダイスのポイントにボーナスを加えた建物全体の合計ポイントで他のプレイヤーと競い,高い人から順に3,2,1勝利点を得ます.これとは別に共通目標が4つあり,それぞれ達成するごとに2勝利点を得ます(達成している人が複数いたらタイブレーク判定で1人に決めます).

    これを3ラウンドやるだけです.超シンプル.

    時には青写真を無視して建設した方が強い場合もあったり,建物得点を捨てて共通目標に狙いを絞ったりしながら,うまくダイスをドラフトしていきます.次に取ろうと思っているダイスが自分の番まで残っているか待つ時間がすごくドキドキです.逆に手前のプレイヤーの補充ダイスで一喜一憂できます.

    上の画像は,たくさん集めるほど高得点の緑のダイスだけで構成され,青写真通りに建てた,さらには共通目標である「同じ色5個」と,「全ての目が異なる」,を同時に達成したという中々スゴイ建物です.

    ラウンド間の持ち越しの要素も特になく,遊びやすく,ダイスを積むのも単純に楽しいのでこのゲームはナイスな日本語化だったと思われます.(言語依存もないダイスゲーなのに日本語化w と思っててすみませんでした.)

     

    • スチールドライバー(Treefrog)

    スチールドライバー

    スチールドライバーやりたい心が読まれていたのか,たまたま持ち込まれたこれを嬉々としてプレイしました.5人で.ただ知っていたのはネットワークビルドの株ゲーというくらいの情報だけでした.このあいだプレイした,アメリカンレイルズと比べる意味でも,そろそろワレスゲーム(の中でも軽い!)に手を出す意味でも興味があった一作でした.

    色々な地域の都市に万遍なく路線を敷いた鉄道会社(=収益の多い会社)の株を手に入れること,また手に入れた会社がそうなるように努力することを目指すゲームです.一言で言うと.

    長くなるし,しても伝えられないと思うので内容は詳しく説明しませんが,このゲームは終了形から作られたのではないかと推測しました.

    一般的なこの手のゲームは後半に従って徐々に収益(あるいはその発生源)を獲得して成長していき,その会社に投資することで配当を得るという形式だと思います.

    このゲームではゲーム中,路線を延ばすことで最後に獲得できる収益を「可能性」として,積み重ねます.この可能性は強いインタラクション(=プレイヤーの意志)を通して最後に収益として確定します.ここで意思表示できるのは最終的な筆頭株主のみです.交渉次第では,他者の筆頭株主と収益を分かち合うことも出来ます.さらには2社以上の筆頭株主となれば,各社の収益の獲得を自分の都合が一番いいように操ることが出来るようになります.株の持ち合いでWin-Winを狙う半協力的なゲーム性はアメリカンレイルズをプレイしたときにも強く感じることができましたが,スチールドライバーでは最後の強いインタラクションへ大きく影響するという点でより一層の焦点となっているような気がします.

    一方では,それを予見し制御するスキルも必要になるので,ヌルゲーマー(=私)などでは到底,底までを味わうことが出来ないゲームです.それでも良作だと感じました.

    こういうゲームでちゃんと勝負ができるようになりたいものです.

     

    • マカバナ 2013年版(Sweet games)

    マカバナ

    最近になって,新版のルールに読み落としがあったことを知って,日本マカバナ大使を自称する私は愕然としたものですが,めげずに立卓しました.

    読み飛ばしていたルールというのは,「ゲーム開始時に1人1個ずつ合計2個の小屋を好きなところに建てていく」というものです.(その他の新版のルールは前の記事を参照して下さい.

    これは私も気になっていた部分で,アリな追加ルールと思います.というのも,序盤,小屋がが建っていないプレイヤーに対するブロックはほとんどあてずっぽになって駆け引きをする余地がほとんどないんですよね.そういう中で万一ブロックされたプレイヤーは小屋がない状態が継続するので泥沼になり,出遅れるという構図があります.これに対して,最初にブロック無しで好きに置くというのは簡単な解決法だと思います.

    ただ,私は「ゲーム開始時に任意の場所にコマを置く」という処理がどうにも好きじゃないので採用しませんでした.小屋を建てる楽しみも2個分減りますし,なにしろ初プレイの人が多かったですから.

    その割に,結果的には4人それぞれ16-15-15-14得点という大接戦となりました.建てた小屋数は全員バラバラでしたが,一番小屋を建てたプレイヤーはビーチマジョリティを逃し,少ない人は隣接ボーナスで多く稼げていた感じでの均衡です.

    トップをブロックするような戦略をベースとして,ビーチマジョリティのライバルをブロックする戦略とが上手くバランスされているなと,今更ながらに感じられました.トップと絡むとロクなことがないということも今後,肝に銘じておこうと思いました.

    あと,インストもっと上手くなりたい.

     

    • オロンゴ(Ravensburger)

    オロンゴ

    このゲームは第一報を聞いた時から,クニツィアの超傑作キタ!しかもモアイだぜ!!と興奮したものの,BGGの(?)プレイ写真を見る限り,どうもコンポーネントが良くなさそうだ,と素直に期待できないでいました.案の定,発売後のシステム面での評判はすこぶる良いもののコンポーネントの悪さを指摘するものがほとんどでした.その評は見立てと丸っきり食い違いはなく,新版が出るまで買ってやるものか!とまで思っていました.・・・しかし他のエッセン新作を消去法していくとやっぱりこれが残り,同時に欠点も愛嬌に見えてきてしまうから不思議です.メビウス便で入ってこなそうなのを確認し,ユーロが安くなった時期を見計らい個人輸入しました.

    シンプルで奥深いらしい日本の同人ゲームの作家の**のアナにモアイコマを捻じ込んでやりたくなるくらい,シンプルで悩ましく楽しいゲームです.

    リソース獲得を陣取り要素と混ぜ合わせ表現したものは中々なさそうに思いますし,毎ラウンドランダムに現れるリソース(エリアが拡大すると解釈もできる)もゲームの軽さとドキドキ感に貢献しています.さらにゲームの終盤はキッチリと計算して「伸びる」ことも大事といった具合に,ドイツゲーム的なエッセンスが随所に散りばめ,いや,もはやエッセンスだけで構成されているといった具合です.それでいて収束性も約束されていてあっという間に終わります.初めての人がいても気軽にインストできるところも良いですね.ドイツゲーム大賞おめでとうございます!

    実際やってみるとやはりコンポーネントに若干の難は感じられましたが,状況確認に忙しいゲームでもないので致命的ではないことが分かりました.

    転がってしまう貝殻もそそっかしい人には大変でしょうが,握り競りではこういう立体のほうが,単純に握りがいがありますし,コインなどよりもやり取りが楽しいので,ちょっとぐらい転がってしまうのも多めに見ましょう.(エラそうだ.)

     

    • 大きなつづらと小さなつづらと(MoBゲームズ)

    大きなつづらと小さなつづらと

    「3,4人目はおじいさんです」が印象的なゲームです.MoBゲームズは今日も平常運転でした.しかし,すずめが可愛すぎてヤバイ.

    アートワークは7つの紋章でもお世話になったわとさんでしたよね?確か.ゲーム毎にちょっとずつ違った多彩なタッチで絵を描かれていて良いですね.

    周りのみんなが運ゲー,運ゲーいうので,私がストレート勝ちさせてもらいました.大得意ですからね,運ゲー.

    このゲームをやっていて強く感じたことは,コミュニケーションは当人達の間で背景を共有(コミュニケーションのベースを確立)しないと成り立たないということです.ドイツゲームは参加者間の会話を誘発する媒介として優れています.それは,魅力的なテーマの設定だったり,興味深いシステムだったり,じんわりとゆっくり楽しむことができる総体的な作りだったり,突きつけられる運命(配られた手札やダイス目)だったりの存在によりゲームに没入する(同背景世界へ入り込む)ことができるお蔭です.

    どんなにミニマムなゲームでもそこは必要だなと思いました.

    このゲームは小さい子供のいる家族や普段から仲良く遊んでいる固定的なグループなどでは楽しめるのではないかなと感じました.そうでもなければ,なにもなしに「ブラフをしてください」はいささか乱暴です.

     

    --

    ブログ記事が長くなりましたが,今回はコアタイムを13時~19時としながらも,希望に応じて前後3時間(合計12時間!)も遊べるようにしたので実際にも長丁場でした.しかしそんなことも微塵も感じない,むしろまだ遊び足りないと思うほどに楽しい時間でした.

    お集まりいただいた皆様,長い時間お付き合いいただき,ゲームをいっぱい持ち,遠い所から出向いていただいてありがとうございました.

     

    また,どこかで遊びましょう!

     

    --

    以下,別の参加レポートなど.

    2015年3月1日日曜日

    辛いだけじゃないトリックテイキングゲーム『7つの紋章、7つの部族』

    7つの紋章、7つの部族

    『7つの紋章、7つの部族』は実際トリックテイクとしてどうなのか?


    トリテ弱者な私からみるトリックテイキングゲーム『7つの紋章、7つの部族』の魅力を語ります。


    マストフォローって自動的?

    トリテ弱い勢から見ると、マストフォローのルールはゲームが半自動的に進んだ末に負けてしまう、という印象があります。

    あとから見ると「そりゃそうだよね」と、分かるは分かる…気はするのですが…。

    7つの紋章は7スート7ランクの49枚構成なのでスートが多いです。そのため初めからボイドが多くて、それもすぐに作れます。

    そのおかげで、捨てカードのコントロールもしやすいし、リードの選択肢も多いなど、コントローラビリティが高いような気がします。

    各人のコントローラビリティの高さは「読み」の楽しさを損なってしまいそうですが、その分「今どの手を出すべきか」が非常に悩ましいゲーム性になっていると感じます。


    トリテは手札運?

    トリテは原則的にカードが配り切りのため、手札運に左右されます。

    それに対して、多くのゲームは「この手札で何トリック取れるか?」を予想するビッドという解決法が採られています。

    トリテ弱い勢から見ると、結局何勝出来るのかなんて、わからないんです…。

    7つの紋章は「7トリック取るまでに過半数の7(紋章)を集めれば勝ち、集められなければ負け」というルールがあります。

    そのおかげで、たくさんトリックを取ればいいわけではなくなりました。

    前述のコントローラビリティの高さとマストフォローのルールの中で、「いかにして7(紋章)を取るかに知恵を絞る」ゲームになっています。


    トリテってトランプでやればいいじゃん?

    でも僕は専用コンポーネントが好きなんです。

    ときどき専用コンポーネントのあるゲームもあるけど、実際に何かで代用できちゃったりするとやっぱりそれで遊んでもよくない?…と謎の葛藤を展開したりもします。

    7つの紋章は稀にみる7スートのゲームで、ランクのレンジは1~13と幅広です。

    これは中々代用が利きません。

    そして、7(紋章)の強さがスート毎に違います!

    同じ数値なのに?と思うかもしれませんが、スート毎にランクのレンジが全て違うのでそんなことになっています。

    ただ、トリテの強さ比べはスート毎なのでそんな変な数値関係じゃなくていいんですよね…。

    例えば1-7のカードが7色あってもできます。

    しかしそうなると取るべきカードがある色は1で別のある色は2で……ってなっちゃうでしょう?

    その点、この専用コンポーネントなら、「7」を取れば良いだけです!7って7枚あるじゃん?エレガントじゃん?!


    …そんなちょっと変わったカード配分に、ベーシックなベースルールが乗っかり、ちょっとだけスパイスが利いてる、『7つの紋章、7つの部族』は「辛いだけじゃない」トリックテイキングゲームです。

    トリテビギナーにもそうでない人にもおススメです♪


    秘密のおたのしみ…?

    あとこのゲームを持っていると秘密のおたのしみもあるとかないとか…?

    …そんなことを聞きました。

    ※限りなく手前味噌な紹介ですが、ルール作成は私ではありませんので!

    リンク

    2015年2月9日月曜日

    第8回「イリクンデパーティ」のお知らせ

    約9ヶ月ぶりのご無沙汰になりますが、第8回イリクンデパーティ開催です!

    参加者を募集します。

    《要項》==========================

    日時

    :2015年3月8日(日)13:00-19:00(途中退場OK)

    場所 ※またまた新しい場所です!!

    コラボカフェ秋津(以後アナウンスがなければ現地集合です)

    :西武池袋線秋津駅北口徒歩0分。JR武蔵野線新秋津駅徒歩7分

    参加費

    :500円(場所代とお菓子、お茶代にあてますm(_)m)

    参加表明

    :人数把握のためメール(yirlikumde(あっと)gmail.com)かメンバーのtwitter(@sounio120など)など、前もって一言いただけると助かります。どうぞお友達とご一緒に。

    遊ぶゲーム

    :こちらでも楽しいゲームをいくつか持ち込みますが、あまり多くは持っていけそうもありません。 持ち込み大歓迎です。自作ゲームのテストプレイもご遠慮なく!

    :【暫定持込リスト】マカバナ、イントリーゲ、モウなど(オロンゴ?マングロービア??)。随時更新。

    ちょっと早く集まって遊びませんか?

    13時からでは物足りない!10時からやりたい!少しでも多くテストプレイとかしたいよ!という方向けに、ニーズ調査をします!

    そういう方は、yioのツイッター(@sounio120)やmuginのツイッター(@mugin64)あたりまで、一声かけて下さい!

    もし、4人以上集まりそうなら実際に先に集まって遊びましょう。

    ==================================

    それでは皆さん、よろしくどうぞー

    これまでのイリパの様子

    2014年11月16日日曜日

    キャトリティアの提案

    キャトリコラの一人用ルールを考えました。

    あらまし

    このゲームでは宇宙人の英雄(グレイ)の軌跡を辿ります。

    あなたは動物21匹集める(円盤ボードを満載にする)ことを目指します。グレイは地球の生物をはじめて持ち帰った宇宙人なのです。

    準備

    動物タイルは25枚、牧場ボードは1枚だけ使います。

    ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマの♂と♀を1枚ずつ、オオカミ3枚を集めます。

    その他にランダムに14枚とり、上記と混ぜ合わせます。

    好きな牧場ボードを1枚置いて、そこにウラオモテもランダムに動物タイルを1マスにつき1枚ずつ置きます。

    円盤ボードを1枚、 チャージレーダーを1枚、マーカーを5個手元に置きます。

    追加するルール

    通常のルールに加え以下のルールを導入します。

    チャージ

    • チャージしたとき、チャージレーダー上のマーカーがちょうど5個になったらすぐに、牧場ボード上のウラ向きの動物タイルを(オオカミは除く)1枚選んでオモテにすることができます。

    キャッチ

    • キャッチしたらすぐに、牧場ボード上の動物タイルを1枚選んで取り除きます。このタイルのオモテは確認することができます。
    • 【ミステリーサークルの出現】が起こったら、通常の処理の代わりに、牧場ボード上のウラ向きの動物タイル(オオカミは除く)を出現したミステリーサークルのマスの数と同じ枚数選んでオモテにすることができます。
    • 【ミステリーサークルの出現】が起こったとき、牧場ボード上にウラ向きの動物タイルがなければ、通常の処理はせず強制的に全ての動物タイル(オオカミは除く)をウラにします。

    ゲームの終了

    牧場ボードから全ての動物タイルがなくなるか、円盤ボード上に21枚の動物タイルがあればゲームは終わりになります。

    通常通りに最終ラウンドも行い、勝利判定に移ります。

    勝利判定

    ゲーム終了後、通常通りにチェックを行ったあとに、円盤ボード上に21枚の動物タイルがあればゲームに勝利します。

    記事を投稿
    /* Google Analytics Code ----------------------------------------------- */