2014年10月22日水曜日

『キャトリコラ』というゲームの紹介をしない

今現在,キャトリコラというゲームがどういう状況にあるのか整理するために,ここまでの経歴を辿ることにします.長い上に特にまとまっているわけでもないので,これまでの画像集ぐらいに思っていただければ幸いです.

記事の最後に「受注生産」のようなものの話があり,そこが主題だったりします.

現在に至るまでのキャトリコラ

2013/5中旬

原案が出来る.

企画名は「グロウ」.

“アクションを「成長」させて発動することによって効率の高いアクションができるが,アクションの効果が限定的になるので,読まれやすく邪魔をされやすくもなる.”というシステムコンセプトがスタート地点でした.

特にルールにこだわりはなく,次のような仮のルールを作りました.

  1. 「ピック」とピックの範囲を大きくする「グロウ」のどちらかを手番で行い,場の駒を取っていく.
  2. 取った駒はついたての中に隠し,最後に種類ごとのマジョリティによって得点を計算する.
  3. 装飾的なルールとして,一度に取った駒の組み合わせによってボーナスがあったり.

2013/5下旬

第4回「イリクンデパーティ」にて突発テスト.

人数(2人~5人)によって使う範囲を変えるフィールドボード1枚と,「グロウ」用のアクションボード1枚を仮に作成しました.

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平均的な駒取得個数を揃えるために,人数によって広さを変える仕様.基本的に取られると駒がなくなる一方なので,空になった黄色いエリアから取ろうとしたとき,ボーナスが得られるようにした.具体的には,グロウレベルを好きなときに1上げられるコインを貰える(だったと思う).

//この辺りのルールは後になくなったが,別の形として面影は残っている.

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そしてこれがグロウボード,レベル1は1か所から駒を取るアクションができる.「ピック」をするとレベルが初期値に戻る.同時に獲得した駒の組み合わせで得られるボーナスがあるため,レベルを上げると同時にピック出来る範囲が広がり少しお得.同じピックの形にグロウできるプレイヤー数に上限がある(丸印)というのがこっそりインタラクションを利かせていた.

//このルールも廃止されたが,自由な形を作れるものに継承されている.

このテストに際して,駒を準備するのを忘れてた代わりに「2人用アグリコラ」の動物駒を使うことにしたことが今のテーマになったきっかけです.

「駒を取るだけというのはシンプルで楽しい.」「動物駒を取るのがそもそも楽しい.」それを邪魔しない程度のアクションシステムであったと思います.普通に楽しめたがもっとなんとかしないと,という状態でした.

2013/6上旬

自分の中での通称が「キャトリコラ」になりました.

2014/1上旬

企画名が正式に「キャトリコラ」となりました.

動物駒を作るor調達する現実的な方法(例えば20円で100個だと2000円!)がなかったため長らく凍結していたが,タイルが作れる環境が整ったため再開始動しました.

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そして,テーマに寄せたシステムを設けてテスト.

変更点は次の通り.取るだけ,に加えてパズルゲームの要素が加わりました.

  1. 準備では,5*5のスクエアの牧場ボードを人数分繋ぎ合わせて配置し,全てのマスににランダムに動物タイルを性別がわかるようにして置く.余ったタイルは使わない
    • さらに各人は,個人ボード(宇宙船)とチャージマーカー5個(キューブ)を受け取る
  2. 手番では,「チャージ」か「キャトル」か「動物入れ替え」を選んで実行する.
  3. 「チャージ」はレーダーにチャージキューブを配置する方法によって自由な形(ピックエリア)を作る.
  4. 同種の雄雌を隣り合わせで配置するとポイントが上がったり,オオカミがいると周りのヒツジやブタが死んでしまったり.

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2人でやってみたり.

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1人で回してみたり.

終了時の種類別のマジョリティにより,(負けた人の)取った動物の一部がいなくなり,残った動物の数で競うというルールの大枠はここで固まりました.

//終了時のマジョリティ争いは後に廃止

「キャトリコラ(仮)。動物を取ってくる(キャトる)だけのゲーム。前回バージョンからパズル要素が加わって楽しい。」というのがこのときの感想.

パズルにすることで,より目的指向性を強めた感じです.

フィールドボードも25マスのモジュラーボードにし,人数分使うという方向に単純化.

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3人だとこんな感じになる.

この日は少しじっくりテストを行い,「チャージ」部分のシコリを取り除きました.これは今も目立たないものの要として生きています.

「キャトリコラ(仮)。一個だけ挙げられたシコリのような部分はすごく簡単な方法でエレガントに解決しました>各位。ひとまず完成。」とこの日は言っていたが,マジョリティ争い周辺のシステムのスッキリしなさがこの後ずっと引っかかったままでいました.

2014/1下旬

埼玉と東京の狭間の某所でテストプレイ会.密会.

どんな意見を貰ったか忘れましたが,あまり手ごたえを感じなかったのと,自分の中でのモヤモヤが晴れていない状態でした.

2014/2上旬

豪雪の中,クローズドテスト会.超密会.

この辺りの時期がクローズドテスト会の隆盛期でした.外に出てテストしてもらおうの精神です.

「チャージして取る部分が非常に楽しい.」「(起伏として?)ミステリーサークルなんかを導入してみてはどうか.」という,後のモチベーション維持にすごく貢献することになる言葉と,楽しさアップのアイデアをいただきました.

2014/9上旬

住居環境が変わり,ようやく落ち着いて制作できるようになったため,止まっていたものを動かす.(厳密には一度どこかでミステリーサークルルールを導入してテストした覚えもある.)

終盤の詰めはともかく,完全情報ゲームとして,序盤の「どうしていいかわからないからなんとなく打つ」となっていた部分をどうにか打破しようとする.

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数日間,家の机の上にセットアップ状態のゲームを放置し,どうあれば一手目からによによできるかセットアップ状態と睨めっこしたりしました.

2014/9中旬

動物の種類ごとのマジョリティで得点をつけるのをスッパリやめ,隣接関係により残るか,残らないかだけに注力するように単純化した. 単純化というよりは最終形でのインタラクションを廃したというほうが正しいか.つまり,目標を明確にし,インタラクションをゲーム中だけに絞ったカタチに.

よりパズル感を強める方針に合わせて,パーフェクト達成が簡単になり過ぎない程度に制限ルールなどを検討.タイル配分も微調整.

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この辺はキレイにまとめられたと自負.再びの完成を見ました.

ホッとした反動に「磁石で動物をきゃっちしたらどうかな...」なんて絵空事を呟いたら,思った以上に反響があり,乗り気になってしまいました.

2014/9中旬

磁石でキャッチ!を試す.

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「これは楽しい」と確信しました.

反響もありました.

テーマの割に,完全情報のガチゲームで地味な面白さ(個人的にはそれで問題なく好きなのだが)があったものに対して,楽しい路線を加えられそうな兆しが見えました.ただ楽しいだけなら見送りだった(コスト面など諸々)のですが,従来,チャージしたエリアの形に沿って取るという操作が実際少し手間だったこともあり,その点が解決されるという利点もあったので,本気で検討することになりました.

2014/9下旬

動物タイルをマグネット仕様にすることで,好きなところに貼ってよし,遊んでよし,というグッズ的価値を付加する構想を嬉々としてメンバーに語るも,後日すぐに,断念することになりました.マグネットシートが思った以上に弱くて><

2014/10上旬

ワッシャーが大量に届く.

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動物の方に金属を仕込むしかないという結論から,コスト諸々を考慮し検討した結果,ワッシャーをタイルで挟むという方法に決め,早速注文しました.

単価はそれほどではないとはいえ,100枚の動物タイルともなると,油断するとかなりの金額になってしまうので注意が必要でした.

後日,金属を仕込んだタイルを試作.

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アートは仮,貼り付けもセロテープ(ノリが無かったため),カットもハサミという見栄えの悪いものでしたが,持つと流石,ズッシリとした重量感が感じられ,とても良いものになりそうという感触を掴むことが出来ました.

2014/10中旬

ルールの微調整.

制限が強く,慎重にプレイしないと脱落してしまうことを改めて問題として,再度調整をしました.

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周辺のルールも柔らかめな方向に調整を加え,誰でも遊びやすい(思考は単純)が,ガチでも遊べる(工夫し甲斐がある)バランスになったと思います.

このゲームのテストプレイにいつも付き合ってもらったLightは常に上手く,私は毎回負けています(汗).

その後,タイル作成の練習を兼ねて駒を量産.

キャッチデバイスも試作してみました.

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アートが中途半端ですが新しくなっています.四角形なのは,パンチが手元になかったためです.ちゃんとしたタイルでキャッチしてみたところ,クリップの時よりも楽しさを感じられました.

しかし!磁石の「磁界」には思った以上の難しさがあり,結局このデバイスは没になりました.運用が少し煩わしいという問題もありました.

2014/10下旬

今現在ですが,キャッチデバイスの設計代案の検討・作成と単体テストを完了し,本番仕様で作ろうかという所です.統合でコケたら笑って下さい.

それとは別に,動物タイルの本番デザインができました.

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カワイイッス!

2014/10下旬

実家にてお日様の下DIYがとても捗る.

キャッチデバイス15-00が出来上がる.

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これまでに想定していた透明PPデバイスでは(1)磁石同士が反発して(引き合って)動いてしまう,(2)磁石の重みでたわむし薄くて持ちづらい,(3)分厚くすると磁力が弱まるなどの問題が多く見つかったので,厚手のボードに穴を開け,磁石をはめ込む方式を試作しました.

その辺にあった磁石を使ってみたところ・・・ピッタリ填まってキモチイイ!(同型のマグネットは現在販売されていないため別のものになります)

というわけでキャッチデバイスはこれで行くことになりました.

(実際には別仕様のデバイスをいくつか経たのですが,問題,問題,問題の連続だったので記憶がごちゃっとしています)

2014/10月下旬

現住居に実家から様々なデバイス&部材を運び込み,作業が開始される.

ひとまずは新しいデザインで動物タイルを一式作ることに.

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ワンルームマンションの玄関で休日日中にパンチングしました.一気に200枚.

苦情が来なくて本当に良かった(汗)

そのままの勢いで,表面タイル+ワッシャー+裏面タイルの接着作業に取り掛かりました.

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結果,外装の缶缶と合わせてsurfaceよりちょっと軽いぐらいになりました.(測ってないけど800グラムぐらいかと.)

実物のタイルができたので,ようやく箱の高さにも収まりそうなことが分かって一安心でした.

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本番機を使ってキャッチを試してみる...楽しい!

あ,外箱の円形に合わせて個人ボードの宇宙船が本当に円盤型になりました.その名も「円盤ボード」です.UFOは未来型ガジェットであるという思想なので,とても簡素なデザインなのです(デザイン力の問題じゃないよ!!!).

2014/11上旬

一部デザインを除く,ほぼ本番仕様のコンポーネントを一式使ってテストプレイ!初キャッチはたぎる!

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あろうことか1キャッチ目から,誰にも邪魔されたわけでもないのにミスしたり,その後もミスを連発して,勝負のほうはとてもダメダメな感じでした.しかし楽しかったのでヨシ,でした.完全に浮かれてましたね(言い訳じゃないですよ!!).

テストも完了し,ルールブックのドラフトもまあまあだったので,安心して次のステップへ進みました.

量産です!RYO-SAN-DEATH!

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B31枚でちょうど1セット分の動物タイルが抜けます.

あとはひたすらパンチパンチ!!

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暑くもなく,寒くもなく,風も穏やかで,蚊も少なく,外から絶対に見えず,防音もそこそこ,腰の負担も極めて小さい,そんなおあつらえ向きな近所の屋外の公園の一角で,レジャーシートを広げてひたすら叩きました.

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これが2セット分.体力的には連続だとこれぐらいがイイトコです.

そういうわけでこの作業は日を置いて休日に少しずつ作る作戦にしました.この調子でいけば,GM秋までに8セットが出来る計算です.(多分無理です.)

夜は夜で別の作業が待っています.

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例えば「牧場ボード」作りです.線引いて切るのはいいんだけど・・・

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ミステリーサークルは手描きなのだ!(ええー

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なんか見たことあるヤツ!

そんな遊び心をいれながら,1セット分が完成.

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この図案は1つずつ変更可能なので(全く同じに描けないともいう…),リクエストを受けれたりしちゃいます.なんかもっと良い図案があれば教えて下さい.

2014/11上旬

ようやくデザインも固まったので,ここでルールブックを書きました.そしてこのページ下部で公開しました.

最も注目すべきところは,今までと構成がちょっと違う所です.

具体的には,「キャトリコラ」をただのゲーム用具としました.しかしそれだけでは困ってしまうので,そこに「“公認”ルール1」を付属させました.

この二つだけだと普通と何にも変わりはないのですが,ルール2が増えたり,“非公認”のルールが追加されたりするかもしれないということです.

なぜこんなことをするかというと,理由は一つです.「マグネットでキャッチ出来るギミックが導入された影響でゲームを超えて“遊び道具”になった」ので,これまで磁石を想定せずに考えてきたルールの他に色々と楽しい遊び方が出来るんじゃないかと思ったからです.

いつになるかは(本当にやるかも)わかりませんが,ルール1だけじゃない遊び方を提案していけたらいいなと思っています.

その意味を込めて,今回公開したルールはちょっと変わった構成になっています.

 

(つづく?)

受注生産っぽい話

さて,何個作ろうか?というところで,楽しいものが出来たと思いますので,欲しいと思われる方もそこそこいるのではないかと思いました.気のせいかもしれません.

元からごく少量生産しか考えていないとはいえ,時間を少しもらうことで,ちょっとずつでも出来るだけ多く希望する人の手元に届けたいという気持ちがあります.

時間の問題は少し待ってもらって私が頑張るだけで解決しますが,材料の調達の問題は発注の段階である程度部数を見込むことで,手数料送料などの誰も得しないコストを削る必要があります.

単価が安く外注できるものであれば,多く作り過ぎても在庫がかさ張る程度で済みますが,完全手生産のため,余分に多めに作ることは難しいです.

そういうわけで,「受注生産」に近い形を取ろうと思っています.

そのために想定している受け渡し日やその方法は,通常の「お金と引き換えに物を受け取る」だけの単純な方法よりも面倒がかかります.なので,大々的には呼びかけせず,この記事を見たり,現物を見て(GM2014秋で試遊できる予定です),すごく気に入り,多少の手間がかかっても(いつになるかわからなくても)手に入れたい,という方を対象に「受注生産」を受け付けようと思っています.

【お渡し時期】GM2014秋終了後~,製作出来次第(1個ずつ手生産します)

【お渡し方法】関東圏ならオープンゲーム会などに呼んでもらえたら都合が合えば伺います.応相談で柔軟に対応します.

【受付時期】現在~GM2014秋最中(コミティア110+X4でも予定)

【頒布価格】2人用:1500円ぐらい,2~4人用セット2500~3000円ぐらい.

【注意】外箱に上等なものは用意しません.GM2014秋の予約ではありません.生産はなるべく急ぎますが私の無理のないスピードで進みますので気長にお待ちください.

【連絡先】Twitter:@sounio120,メール:sounio120(あっと)gmail.com

※受け付けは期間内でも予告なく終了する可能性があります.

「本当に欲しい人に出来る限り届けたい」を基本理念としています.相談してもらえたら例外的に対応できることもあるかもしれません(例えば,地方からGMに参加する人に対してGM渡し出来るよう頑張るとか).気軽に連絡ください.

内容物(&公認ルール)

キャトリコラ内容物+公認遊び方説明書1(PDF)

  • 2014/11/26 一部修正
  • 2014/11/4 公開

※内容物は予告なく変更される可能性があります.ご了承ください.

2014年10月5日日曜日

埼玉ゲーム会で遊んだゲーム

Mr. だんごの号令で集った埼玉戦士たち.今度も「ミスボド」の裏で堂々開催でした.これはもちろん悪いことではなく,つまり,神奈川にミスボドあり,埼玉にだんご会あり,という構図です.

しかし,当のミスターは前日に腰をやってダウン,影の主催かと思われたショーナンも神奈川勢の手に堕ち,埼玉基地のタカダ博士も陽気に歌を歌わなきゃいけないため欠席!とういわけで近場にいて声を掛けられた2名と南武からの助っ人エヌ氏,そして会場提供の萌王グラムさん,合計5人でのだんご会(??)となりました.

 

  • Zoowaboo(いかだ動物園/ RioGrande)

説明不要ゲーム.

こうして...

いかだ動物園

こうじゃ!

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いかだボードに空いた穴に動物駒を(平面的に)詰め込むゲームです.

ランダムな10匹から開始し,それらの動物を全て詰められるかどうかを投票します.意見が分かれるまで1匹ずつランダムに増やしてゆき,意見が分かれたら詰められるに投票したプレイヤー全員で一斉にとりかかります.

制限時間の1分内に詰められれば,ラウンド数と同じ点数を貰えます.詰められなければ,詰められないに投票したプレイヤー全員に同じだけ得点が入ります.

ある程度目分量で測れるとはいえ,だいたいは勘で判断するしかないのですが,「これは無理だわー」など適当に言いながらその反対に投票したり,「まだまだ余裕」といいながら反対に投票したりしながら,自分だけが稼げるように上手いことやるというような駆け引きのほうがウェイトが高いと思われます.

あとは実行力.じっくりやれば詰められるものでも,1分だと間に合わないこともままあります.実行も全員でやったり,分担したり.急ぎの作業になるので結構性格が出たりします.

投票の駆け引きでももちろん性格が出るわけで,ナイスなオープニングゲームなんではないかなと思います.我ながら.

対応人数2~4人というのがちょっと狭くて惜しいですが,得点チップを持って来れば出来なくなさそうだし,見るだけや,外から口出すだけでも楽しめるのではないかなと思います.なにより動物テーマ+木駒は強い!

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6ラウンドの俺たち「ラクダも歩けるし,クマも踊ってる(訳:まだまだ余裕だぜ)」

 

  • Battle Sheep(バトルシープ/ BlueOrange)

バトルシープ

自分の色の羊駒を16枚,全部重ねて一か所に置いたら手番開始.2匹以上いる羊の山から1個を選んでその場には最低1個残して持ち上げた羊を直線移動→突き当ったら停止,という手番を順番に繰り替えして,全員動けなくなったときに,ばら撒いた羊の数が多い人の勝ちという非常にシンプルなゲームです.

一戦目は,(多分)オモシロそうだからという理由で湿地帯のような裂け目がたくさんあるフィールドで開始.(実際にはヘックス4マスで出来たフィールドタイルを一枚ずつ置いていくところからゲームが始まります.)

方針が定まらぬままの序盤は,とりあえず他人の邪魔をするシープバトルが勃発し,赤羊はあっという間に行き場を失い脱落の様相.

その脇で淡々と地を固める青と黒でしたが,脱落した白と競合している部分でとばっちりを受けた黒羊群があえなく敗退となりました.青はいくらか余裕を残しての快勝.

バトルシープ

二戦目は打って変わってだだっ広いフィールドで開始.若干左のスペースがクサい.後の展開を知っていれば左に即刻対処すべきでした.まぁ気づいたときは手遅れなわけで...

バトルシープ

またも青羊の快勝!

と思ったんだけど黒も惜しい!ゲーム中に机の下から1匹見つかるというアクシデントで本来はノーゲームなんだろうけど適当に重ねて再開するも計算が大きく狂い敗退したという結果でした.アクシデントがなければという話ももちろんありますが,その場合,早々に勝ちが見えていた青を倒すための手助けが他のプレイヤーから得られていたかどうか...

という感じに非常にマルチ感高いゲームでした.

攻撃することに全くメリットがないので,独走を許さない程度にけん制しながら(想定される地の数を数えて適度な羊を送り込みながら),自分の地をいかに確保するかという囲碁的なゲームである,というのが感想です.慣れないうちは遊びやすいゲーム,少し慣れるとマルチゲーム,極まればガチアブストラクトになるのではないかと思っていたり.

ただ,2人用アブストラクトでも難しいのに,3人以上で高レベルで実力が均衡する状況はさらに稀な気もします.ルールインストも簡単なのでもう何回か回してどこかでよりよい感触を掴みたいですね.

人気作Hey! That's my fish!(それは俺の魚だぜ!)と凄く近く比較されそうな気がしますが,考えどころはだいぶ違っていて,地を作ることに対して,どの辺のエリアに目をつけどれだけの羊をどう移動させるかを考えるのがメインで,それが絡まって非常に悩ましい(難しい)ゲームになっています.

例えば,最終的にフィールド全マスが埋め尽くされれば同点なので,逆に少し余分に地を確保するだけでも,誰かを攻撃してることになりますね.うーん難しー.

 

とらんぷくえすと+

なかなか評判の良い国産ゲーム,とらんぷくえすとのプラスバージョンです.初プレイでした.

4人戦では,1人が魔王軍,残りの3人が勇者パーティ軍を操り,協力して魔王軍のを倒します.協力ゲームなので,魔王軍対勇者パーティの構図かと思いきや,各プレイヤーは一つの勇者パーティを担当するので,魔王軍は単純に3倍の相手に対することになり,ちょっと不憫です(魔王軍のキャラは人数に合わせたパワーアップもあるので活用必須です).

ゲームは6ラウンド行い,各ラウンドでパワー比べの結果,トップだったパーティが得点します.つまり,魔王軍にトップを取らせなければいいのです.しかし,得点はパーティごとに入り,トップのパーティがいる陣営(魔王軍vs.勇者軍)がゲームに勝利するので,闇雲に勝てばいいわけでもなく,勇者軍の中で点を取るパーティ,アシストするパーティのように分担する場面が出てくるかもしれません.

ラウンド終了時に1人ずつパーティが増えていき,6ラウンド目にはいよいよ魔王が登場します.その過程では勇者パーティも増えていくのですが,どのキャラを誰が引き入れるかは相談して決めます.

ここで,能力の発動(=パワーカードのプレイ)の兼ね合いだったりを基準にして分配するのは拡大生産ゲームに協力要素を組み合わせたようであり楽しいです.

能力の発動のためにプレイしたカードは数値がそのままパワーになるのも上手くかみ合っている感じです.

得点を得るとパワーカードをそのまま得点カードに変換し,以後パワーカードとして利用できなくなります.一見勝ちプレイヤーへの弱体化調整のようですが,デッキ圧縮要素にもなっています.

またパーティが6人になったといっても,パワーカードの補充は基本的に4枚なので,それらを上手くやりくりする必要があったりします.おかげでドロー能力は選択肢を増やすこと以上に強力です.こういう細かなバランスも良く出来ているなーと関心しました.

ゲームは,攻撃パーティ,補助パーティ,お邪魔パーティという感じに上手く担当が分かれて挑めた勇者軍の辛勝でした.最終ラウンドは攻撃パーティの不発が早期に発覚し,諦め半分でしたが,サポートを得ることでなんとかなんとか,別のパーティを増強してギリギリ逆転できました.

そういう展開も相まって,非常に良いゲームという印象を受けました.

 

  • テーベ 完全日本語版(アークライト, QueenGames)

テーベ

いまさらなので細かいことは書きませんが,移動&アクションを繰り返し行うだけというシンプルなゲームです.手番は時計回りなどの順番でなく,累積の消費コスト(時間)が一番少ない人が手番を行うというアレです.やろうと思えば連続手番もでき,ガチガチになり過ぎない感じも好印象です.

遺跡の発掘でもコストさえ払えば,たくさんタイルが引けるという点も自由な感じがします.

アタリ(得点)タイルは引かれると袋から無くなり,ハズレタイルは戻されてどんどんハズレが濃くなるので,なるべく早く発掘したいけど,発掘は何度もできないのでジックリ能力を高めてから行いたい,ということで悩ましい.

カードのオープンと,遺跡の発掘に運が絡みますが,運というよりブレだと考えると緩くゆっくり楽しめる良ゲーたと思います.

テーベ

パレスチナの悲劇(1902).

後から聞いたところ,ハズレが16枚も入っているそうで,ハズレてがっかりするより,当たって喜ぶほうにウェイトがあるゲームだと思います.自分が悲劇に直面するとダメージがデカいのは事実ですが,たいていハズレる他人の引き(不幸)を見られるのは蜜の味です(悪い顔.

 

萌札

周りで何度かやっているのを見ながらも自分は初プレイ.

ネタゲーはネタゲーなんですが,比較的ちゃんと遊べるように,凝った手続きが導入されていました.

他人の性癖が最後までイマイチつかめないなか,毎度,安定したテンプレ萌えキャラを作り上げたグラムさんがゲームにも勝利!

萌札

奇しくも痴女?対決が発生.1枚目の時点で誰がこんなことになると予想していたか?

 

  • GlenMore(グレンモア/ alea)

グレンモア

以前レビューした気がするので(?)簡単に.

中間決算が結構重要な割にその補助がないとか,少し粗がありますが,基本的に獲得と発動,そして決算時の要素ごとの数比べという分かりやすさと,最終的に個々の領地ができるというのはやっぱりいいですね.

私は序盤それほどウマくやってなかった割に,終盤は勝った気になっていたら,普通に負けてました.しかし,5人中3人が50点オーバーというハイスコアゲームでした.

 

この他にも,グラムさんのゲームライブラリからいくつかゲームを紹介していただけたのも良かったです.あとはエヌ氏により開発中のエクストリーム計算ゲームのテストプレイも行いました.何回かやるとプレイヤーの方が十分に楽しめる域に到達できますが,現状ではとっつきが悪いかもしれませんね.その辺を補うアートワークやスパイスの利いた調整を期待したいところです.

 

以上.

今回,参加されたみなさま,お疲れ様でした!

グラムさん,お邪魔しました&ごちそうさまでした!

 

たくさんのメンバーを集めてまたやってほしいですね.埼玉ゲーム会.

頑張れ埼玉勢!(※私は実家が埼玉というだけで応援しています)

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