2024年9月30日月曜日

『ブラジリア1955』というゲームの紹介

基本情報

タイトル:ブラジリア1955 / Brasilia 1955

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:60分~90分

ジャンル:都市計画ボードゲーム

作:yio / イリクンデ

用具

都市ボード 2枚

個人ボード 4枚

資材キューブ 104個

Plan(プラン)カード 36枚

Vision(ビジョン)カード 15枚

プレイヤーマーカー 4色×6個

Money(マネー)マーカー 4個

建設カード 1枚

紹介

※ルールブックはページの下の方でリンクを公開しています.

テーマなど

ブラジリア遷都の街づくりをテーマにしたゲームです.プレイヤーは街づくりに参加する一企業として,政府の依頼をこなすことで,会社の発展と利益を目指します.

システムなど

ゲームのメインメカニクスはドラフトです.カードと固定アクションを1つずつ組み合わせた6つのアクションの中から手番ごとに1つ選ぶことでゲームが進みます.カードは建物を建てる権利などを表すPlanカードであり,表向きの場合は獲得することができ,そのあと裏向きで補充されます.カードが裏向きの場合は,表にして1金を獲得できます.固定アクションは資材の獲得などゲームの進行に欠かせないアクションが実行できます.


固定アクションの側から見ると,組み合わさったカードがその時に必要か否かで価値が揺らぎます.また,裏向きの場合,1金得るだけのため利益は低めで(もちろん1金のほうが良いときもあります),なにより次のプレイヤーに表向きのカード獲得のチャンスを譲ることになるリスクがあります.

カードの側から見ると,公開されたカードの先取りという要素はもちろん,組み合わさった固定アクションがそもそも必要かどうかや,相手にとって重要なカードかどうかにも注視する必要があります.

このように,価値の変化する固定アクションのドラフトという側面と,公開カードの早取り的なドラフトという2つの側面をもつドラフトを1手番で同時に行うゲームです.

得点からみるゲームの構造

決算時の得点

ゲーム中には2回の決算があります. 決算では,Projectの得点,Visionの得点,Specialistの得点という3種類の得点が入ります.

この中で一番大きなウェイトを占めるのがVisionの得点です.次にProjectの得点が大きくなる可能性があり,Specialistの得点は0~5点です.

Visionについてはしっかり話すと長いのでかいつまんで,以下のような基本ルールがあります.

  • 誰も出資していないVisionは,共有のVisionとなって全員に得点をもたらす
  • 誰かが出資しているVisionは,出資している人だけに得点をもたらす
  • 出資にはManager駒を使う
  • Visionごとに最初に出資した人だけ即時で3点もらう

Visionはいわゆる目標カードに相当するものですが,誰も何もしなければ平和に全員に点数がもたらされます.しかし,出資すると他のプレイヤーの得点の権利を奪うことができるので,相手を止める動きができることになります.いわゆるカットのような動きですが,lose-loseというわけではなく,最初に出資をすると3点が得られるため,Vision自体から自分への直接の利益が少なくても悪くない行動です.ただし,カットされた側も後から出資することで,得点の権利を取り戻すことができます.つまり後から出資した場合の損益は3点ということになるので,結局この3点を争う先取り(取らないも含む)の駆け引きがVisionによってもたらされるということです.

もう一点,Visionは最初に6枚公開され,中間決算のあとに8枚になります.なるほど,少しずつ公開される仕組みか,といえばちょっと違って,プレイヤーの意志が介入する余地があります.中間決算のあとの準備のルールを少し紹介します.

  • 中間決算までに出資がなかったVisionはゲームから除外する
  • Manager駒は持ち主の手元に戻す
  • 8枚になるまで公開する

このように,ゲーム終了時まで残すVisionを,プレイヤーの出資という行動によって選択することができる仕組みになっています.これは同時に,残したいVisionには積極的に出資していかないといけないことも意味しています.また,中間決算までのVisionをめぐる攻防では,カットする行動が相手にとって利益のあるVisionを残すことにもつながるので,迂闊にはできないことも意味します.

出資するタイミングが重要になるわけですが,出資というだけあり,最大8金所持できるうちの5金が必要ということで,資金の捻出が必要になってきますし,次で紹介するProjectを実施するためのManager駒とここでのManager駒が共用になるため,異なる要素間でのマネージメントが必要になってきます.

こんな感じで,決算を見据えた継続的なマネージメント要素を生んでいるのがVisionです.

一方で,Projectは,建設に波を与えます.実際に波を与えるのは,建設時のボーナス得点とのからみです.Projectの要素が存在しない場合,建設する場所もタイミングもさほど意味はなく,単にプレイヤーの都合の良いタイミングで,建設可能な場所に建てていくだけです.Projectの基本的なルールには次のようなものがあります.

  • Project実施にはManager駒を使う
  • 決算時に,自分のManager駒が置かれたプロジェクト予定地の周りに,Projectに沿った建物があれば1軒につき2点もらえる
  • 建設時に,いずれかのプレイヤーのManager駒が置かれたプロジェクト予定地の周りに,そのProjectに沿った建物を建設すれば2点もらえる

Projectを抱えたプレイヤーの目指すところは,決算時に自分のプロジェクト予定地の周りに,所望の建物をたくさん建てていることです.一方で,建設時に他のプレイヤーは,Projectに沿った建物を建設し2点もらうか,Projectに沿わない建物を建設して妨害するかという2つの戦略をとることができます.協力する場合は自分に2点,相手にも2点でwin-winの構図になるため,積極的にとって良い行動です.自分が建設できる種類の建物でない場合は,他のプレイヤー同士でwin-winにされないように妨害することも大事です.もちろん,Projectを抱えているプレイヤー自身が,建設時・決算時両方の点数をもらうことも可能なので,最優先で狙うべき戦略の一つになります.

Project予定地にManager駒がない場合(まだProjectが実施されていない場合)でも注意が必要です. 特定のProjectの要求に沿う建物で1つの予定地の周りを固めてしまうと,後からProjectを開始しただけで,最大8点をほぼ無償でもらえるプレイヤーが出てきますので避けるべきです.こういうこともあり,Projectは建物を建設する場所・タイミングどちらに対しても大きな意味を付加します.

Specialistは雇った回数に応じて,点数が得られます.実際,点数がなくてもSpecialistを有効活用することは強い行動ですが,よりわかりやすくするためのガイドの意味も込めて1点ずつ得られるという設定にしています.

決算以外の得点 

決算以外の得点機会は4つあります.

Visionへの出資による得点と,建設時のボーナス得点である,Projectによる得点,特別な建物による得点,連続建設による得点です.

Visionへの出資による得点とProjectによる得点は前述の通りです.その他のボーナスは,デザインとしてなくてはならない要素ではないですが,総合的にあったほうが良くなるとの判断で導入しています.詳しくは省きます.

遊び方説明書

https://drive.google.com/drive/folders/1p6Cm7cUTmHK1exDqIRlNm1de7x12YI0u

Googleドライブに説明所のpdfファイルがあります.既に印刷済みの現物のルールと違い,適宜最新版にアップデートされます.

TTS(Tabletop Simulator)

Tabletop Simulator(Steam)で遊べるデータも公開しています.

https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=3330738028

Q&A

  • Q1:個人ボードのスロットから破棄にする時は、サブPlan置き場か捨て札置き場のどっちに置いたら良いか?
    説明書の記述不足でした.カードを破棄するときはいつでも,空いているサブPlan置き場に置き,空きがなければ捨札置き場に置いてください.受注時と同じルールです. 

 

随時追加...

頒布

『ゲームマーケット2024京都in京まふ』で頒布しました.今後の予定は今のところ決まっていません.

お問い合わせ

作者のSNS:https://twitter.com/sounio120

メール:yirlikumde[at]gmail.com

※ブログへのコメントはほとんど気づかないため,上記までご連絡ください

2022年12月3日土曜日

『サバクノ航海』をデザイナーズノート形式で紹介

基本情報

タイトル:サバクノ航海 / Desert Crossing

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:15分~

ジャンル:同時入札ゲーム(バッティングゲーム)

作:yio / Yirli'kumde

用具

 商品(0~5) 6枚

 町 18枚

 はじまりのキャラバン 1枚

 ボーナスキャラバン 3枚

 案内人 1枚

概要

『サバクノ航海』は,商品を手に入れて,町を訪れ,売却することで最高の商人を目指す,同時入札ゲームです.

プレイヤーはラウンドごとに商品の入手を試みますが,他の人と狙いが被ってしまうと失敗となります.

しかし,案内人だけは,他の人と被ったときのみ商品を入手できます.全員が入手した商品によって次に訪れる町が決まり,町では需要に最も応えられる一人だけが商品を売却して,財産を得ることができます.

他のプレイヤーの思考を読んで入札をして,最高の商人を目指しましょう.

デザイナーズノート

サバクノ航海は,『Frog Step Jump』から派生したゲームです.元々は主にプロダクト面での変更を念頭に置いてリメイクしようと思ったのが制作のきっかけでした.

Frog Step Jumpを簡単に説明すると,カエルがゲームボード上で円環状に並んだハスノハの上を1~3マスか進むので,進む先のマスに書いてある数字の権利(カエルが停まったら点数がもらえる権利)を同時入札で取り合うというバッティングゲームです.以下のような特徴がありました.

  1. 何マス進むかは権利の移動後にサイコロによって決まるため,狙い通りに取れても得点に繋がるかどうかに運が絡むこと,
  2. 入札には1セットずつ配られたカードを使い,使ったカードを手に戻すかどうかは親が入札直前に決められるため,他人が入札できる数字を考慮する必要があること,
  3. 既に権利のある数字に入札してブロックすることができるが,他の人が入札しなかった場合はブロック失敗となり,逆に権利を失うことになること,
  4. 数字の権利を持っていることを示す自分のマーカーが,自分の10点マーカーと兼用であるため,勝っている人ほど数字の権利の保持上限数が減ること

この元となるゲームに対して,ボードをなくし,コンポーネントの全てをチップ(タイル)などにしてコンパクトにできないかと試行錯誤していました.見た目にもこだわりたく,テーマに関係のないコンポーネントは並べなくてもいいようにできないかとも考えていました.

ゲームで実現したいことの芯は把握できているので,これを崩さない範囲で変更案を検討していきました.しかしコンポーネントの変更は,ゲームのプレイ感に大きな影響を及ぼすので単純にはいきません.また,基本的にルールの最終決定などは自分の好みを反映させるのですが,10年の時を経て現在の好みも変わっているので,全く同じルールでのリメイクは最初から考えておらず,ルールにも調整を加えることが前提です.

さて,この調子で開発記を書いていくと話が発散して書き終わらないので,過去のメモを取り出して変遷を追っていくことにします. 

テーマとシステムの接合

メモ「石を投げ込んだらカエルがすすむ」

タイルのハスノハを円環状に並べることで,臨場感がアップしました.その一方で,なぜカエルが進むのか?何を同時入札で競っているのか?など,ゲーム内容とテーマとの乖離が気になってきました.これに対して,石を投げ込むことで入札意思を表現し,石が投げ込まれることによってカエルが動くというのが面白そうでは?というアイデアです.

システム的には,コインを使った握り競りにテーマを付けたと捉えることもできます.石の回収ルールなども元ルールを踏襲することで,ちょっと違うけど入札制限も機能させられそうと考えてたのですが,投げた石を数えて→権利を移動させて→カエルを移動させてという感じで,それほどテンポも改善できなそうだったため,いったんお蔵入りになりました.このゲームの持っているプレイ感を損なわない範囲で調整しようとすると,権利の獲得とカエルの進行の2フェーズはどうしても必要になりそうというところから抜け出すことができなかったわけですが,カエルの進み具合を予想するという小さなテーマではもっとテンポアップが必要と考えたためです.

もっと大きなテーマに

メモ「カエル改めラクダ」

そこでとった手が,テーマを大きくすることでテンポはそのままでヨシということにしてしまうというものです.カエルをキャラバンに,ハスノハを都市とし,行商するというテーマにザックリと置き換えることにしました.元々ノンテーマだったハスノハに描かれている数字は,都市において需要のある商品となったため,タイルには町と商品アイコンを描く必然性が出てきました.これは現在の形と同じです.

また,前段でお蔵入りした,石で入札してそのうち回収するという入札制限のルールは生かせないか?と考えたものの,ラクダに石を投げるわけにもいかず,同様のルールを表現するために,一本道の入札トラックを使った方式を実装しました.トラックには,権利が欲しい商品の他に,ワイルドカードに近い”商人”と,自分の権利を守る”ブロック”のマスを実装しました.

トラックを進んでアイコンに従うという方式はなんとなく今風で,悪くはなかったのですが, このトラックは何なん?というところに引っ掛かりがありました.最初のほうに書いた通り”テーマに関係のないコンポーネントは並べなくてもいいようにできないか”を考慮してのことです.

試行錯誤期

まず,前段の入札トラックを取っ払います.トラックの数は8(商品6個と商人とブロック)だったので,これを全てカードに置き換え,両手の指を使ってカードに対応する数字に入札する方法に変更しました.

どうせならサイコロも削除しようということで,”いっせーの~(指スマ~?)” 方式でキャラバンを進める方式も検討しました.しかしこれは,作りたい確率を表現するために一工夫が必要で,結果として不必要に複雑になってしまったため不採用になりました.

一方で,ゲームマーケットチャレンジなる話が出てきて,それ用に調整したりしなかったりするかどうかという話をしたのもこの時期だった記憶があります.(しかし,チャレンジについて最悪失敗してもいいやくらいの気持ちで開発を進めることにしました.)

試行錯誤期(混迷期ともいう)に一周回って落ち着いた入札方法では,入札制限をも取っ払ってしまったために,バッティングゲームが持つ最も典型的な問題が表面化しました.題して「俺○○出すよ問題」です. いずれかのプレイヤーが出す手を宣言してしまうと,他のプレイヤーはそれに被せるメリットがないため”言い得”になってしまう問題です.元のルールでは入札制限によってかなり緩和できていましたが,入札をシンプルにすることで(せざるを得なくなったことで)避けられない問題になりました.

バッティング×裏切者

メモ「いつでも欲しいものが狙えるシンプルなバッティングゲーム」

前段の問題に対して,2日くらい考えて出した答えが”裏切者”の存在でした.現在の”案内人”です.通常のプレイヤーは「誰かと被ったら失敗」なのに対して,案内人は「誰かと被ったときだけ成功」という非対称な存在です.コミュニケーション色が強めのゲームなどに裏切者が混ざることで,発言などに慎重さを要するものにできることがあります.”顔色伺い”は本来あまり歓迎されないのかもしれませんが,そもそもバッティングゲームなので顔色伺い上等で,人読みゲームに振り切ることにしました.

結果として,”ワイルドカード”や”ブロック”といった特殊な役物を入れなくとも十分思惑が交錯する形になったので,いつでも商品6個の取り合いをするだけ,というシンプルなバッティングゲームに落ち着かせることができました.入札も片手で可能になりました.

調整

骨組み以外では以下のような部分を調整しました.結果的に,元のゲームとはかなり違うゲームになりました.ただし意図したようにプレイ感はほとんど維持していると思います.

  • キャラバンの移動範囲は制限せず,町の需要を全て満たすという条件でどこまでも移動する
  • 案内人は誰か1人が担当していることが最低条件なので,ゲーム中は固定ではなくたまにプレイヤー間で交替が起こる(実際には固定でも問題はない)
  • 点数が1軸だと逆転が困難なゲームが生じるので,特に後半に伸びやすい(けれどもそう容易くは勝てない)2軸目を加える
  • 入札の失敗が続いても最悪ゲームが停滞しないために,案内人交替にボーナスを加える

タイトルが一向に決まらなかった

タイトルが確定したのはルールブックを公開した日(ゲムマの1週間前くらい?)です.

あまり砕けたタイトルは好みではなく,硬いタイトルはゲームの性質とマッチせず,非常に難産でした.

決定した『サバクノ航海』について,横文字はDesert Crossingです.「Crossing」は,偉大なる和製バッティングゲームである『Xing』の英語版タイトルから拝借しました.Crossingにあてた「航海」の訳は,砂漠を海になぞらえて漂うスケール感が出せたため気に入っています.自分の選択に大いに「後悔」することも楽しみの一つですし,ゲームも所謂裏向き一斉「公開」というメカニクスを採用しているので,コウカイのトリプルミーニングにもできました.最後に,「砂漠の航海」だと唯一性が低すぎたため,「サバクノ」にしたのは逃げの一手です.その安直さに少しだけ後悔しています.まあOK!

ゲームマーケットチャレンジ,失敗か,脱法か

上のような製作の裏では何やら不穏なことを呟いていました.

https://twitter.com/sounio120/status/1577593679128449024

https://twitter.com/sounio120/status/1581971493038456832

その結果生まれたのが,『サバクノ航海・拡張セット:商人たち』です♪

ゲムマ2022秋での頒布価格は,本体490円,拡張10円でした.

ルールブック

ルールブックは以下からダウンロードできます.

https://drive.google.com/drive/u/1/folders/1jzKPezltiuzwLYpFrmC4dViq0dnc-pZ7

お問い合わせ

作者のTwitter:@sounio120

メール:yirlikumde[at]gmail.com

※ブログへのコメントはほとんど気づかないため,上記までご連絡ください


2018年6月6日水曜日

『セブン創作ルールコンテスト』結果発表!

結果

大賞

入選

特別賞

総評

9作品,6人の方から応募がありました.

まず,募集期間も短い中で,たくさんの作品の応募をいただきましてありがとうございました.

続いて,審査完了と発表が大変遅くなり,お待たせして申し訳ありませんでした.2016年中にはもう一歩のところまで完了していたのですが,2017年に持ち越してしまったのが運のツキで,私が関西へ異動になってしまってからはほぼノーチャンスになってしまっていました.どうにかせねばと思っていたところで,先日丁度良く集まることができたので,最後の一息を一気に完了させることができました.

さて,気を取り直して総評に戻ります.募集時には総合的な判断で良い作品を選ぶとして,いくつかの基準を上げていました.全ての応募作を遊び終わってからさてどうするか,となったとき,アレコレ考えましたが結局のところ「セブンで遊ぶに相応しいかどうか」という基準が最も大きなウェイトを占めました.言い換えれば「セブンのゲームならではの良さがあるかどうか」が審査上の要点になりました.結果として大賞の『鎮魂歌』と入選の『ナナちゃん』はカード構成に沿ったテーマ性がプラス評価に働きました.システムとしてカード構成を十分に活かすことは必要条件であり,ここでは差がつきにくかったように思います.セブンのカード構成の特徴は大きく2つあって,一つは7に近いほどたくさんあること,もう一つはスートに偏りがあることです.欲を言えばどちらの特徴も活かされていることが望ましいのですが,考えてみると結構難しいことがわかります.そんな中で入選の『カウントダウン』はスートに意味がなく寂しい気持ちがあり,もう一歩!という評価になったのかもしれません.

話は変わって,他のカードセットで遊ばれているルールからの借用(というよりは移植)は大変意義のあることだと思っています.それを遊ぶとカード構成の違いというファクターがゲームの面白さとしてダイレクトに返ってくるので,カード構成の特徴を自覚するためのケーススタディになる訳です.その知見から,うまくチューニングすることを目指してもいいし,一風変わったものに発展させてもいいと思います.重要なのはそういうことの積み重ねによって良いゲームが後から後から生み出されていくんだろう,ということです.

またそれに関連する話題ですが,「ゲームとしてまとまっていること」はもちろん大事だと思います.が,それ以上に,セブンの現在の段階を考えるに「創作ゲームを見て創作意欲が湧くこと」が非常に重要だと思っています.特に今回は『セブン』の創作ルールコンテストですから,カードセットに対する「こういう解釈どう?」とか「これがならではのプレイ感だよね」とか「こうすると納得感あるよね」とか,そういうのがいま,重要だと考えた訳です.

奨励賞の『セブンダイス』は大胆にコンポーネントを追加しました.こういう方向性はもっとあってもいいと思います.大賞の『鎮魂歌』はフレーバーだけにあらず,カード構成の解釈も素晴らしいと感じました.実はその解釈だけなら『魔連山』が元祖に当たると思います.つまり何が言いたいかというと,とんでもないものでもいいからとにかくまずはカタチにしてみて欲しい!それそのものがイマイチでも,それから派生した新しく良いものができるかも!ということです.チャレンジングに!色々と!

もちろん,調整とか,競技性とか,公平性とかを気にする人も多いと思います.それもいいと思います.人によって色んな“やりたいこと”があると思います.それぞれが思い思いに創作に耽ってもらえたらなーと思っています.

そうやってセブンで楽しんでいただけたら企画者として本望です!

ぜひセブンを遊び倒してください!

今後ともどうぞよろしくお願いしますm(__)m

個別評(応募順)

ゲーム詳細についてはWikiをご覧ください.


  • カウントダウン《入選》

手札をいち早く出し切ることを目指すゲームです.

場札より小さいカードを出せば手札が減らせ,カードを出すと場札を1枚引き取らなければならないという,オーソドックスなシステムですが,プレイしてみるとピリッとしています.場札より2以上小さいか大きいカードしか出せないルールがあるからです.カードが出せないとどうなるかというと,即脱落です.この2点が緊張感を演出します.

ルール,目的もわかりやすく,とにかく死んじゃダメというのもいい.ゴールに近づくほど即死の危機が必然的に高まるというのもニクいです.

ただ,即死の危機をするっと抜けてあっさり勝つこともあるので,初プレイだと拍子抜けしてしまうかもしれないのが玉に瑕です.この点は,全員が即死をしっかり意識出来るようになることで刺しつ刺されつのドキドキのゲームになるはずです.ぜひ繰り返しのプレイをおススメします.


  • E-Calc

4枚のカードの数字を四則演算して14にすることを目指す計算パズルです.

パズルが解けたときに嬉しくなるのはこのゲームでもご多分に漏れずです.タイムアタックやスコアアタックをやってひたすら自分を高めるモチベーションのある人に向いています.多人数で競うにはストイックすぎる気がしますが,人の高度な解答を見るのは醍醐味なので,この辺りを活かした多人数用ルールの開発が待たれます!


  • セブンユーカー

2人ペア戦4人用のトリックテイキングゲームで,競りによって切り札スートと目標トリックを決めて最終的に宣言したチームがチャレンジする方式です.

ペア戦でビッドをするというのは替えがたい面白さがあり,また応募作の中で最もまじめに(競技的に)遊べるものかなと思いました.ただその良さがセブン由来なのか,もとになったユーカー系のゲーム由来なのかが判然としませんでした.ルールからは練られている感じが伝わってきましたが,プレイでその機微を感じ取れる面子で遊べていないが一番の原因です.見えないカードが多くてビッドが難しい点などを改善できれば素材の良さをより活かせるんではないかと思いました.

トリックテイキングに造詣が深い面子を揃えての審査は適わず終いでしたので,興味を持たれた方にはぜひお試しいただきたい一作です.


  • セブンフール

2人ペア戦4人用のトリックテイキングゲームで,場に何種類のスートが出たかによって勝敗が決まる方式です.

ボイドが増えやすい構造を利用して,何人がフォローできるかによってトリックの判定が少し変わるようになっているのが特徴です.7に重みがあるのもスパイスになっていてセブンらしいチューニングです.具体的に,7が含まれるトリックはそれが奇数枚なら3点で偶数枚なら-3点であったり,1人だけフォローできなければ勝ちであったり,ちょっとの違いが大きな結果の違いにつながるのでドラマチックに展開します.ただ同時にアンコントローラブルな印象も強めています.大味ではありますが,ペア戦であったり,ランクの強弱の逆転などはくなかったり全体的にオーソドックスであり,あまり外さないゲームと感じます.


  • 魔連山の冒険者たち

剣と魔法の冒険ファンタジーをテーマにした,手札マネジメント・協力ゲームであり,衝撃の問題作です.

「聖剣(A)と騎士(6)とドラゴン(7)の3枚(この組み合わせを<聖竜騎士(14)>と呼ぶ)で魔王(K)を討伐する」という一文からでも十分伝わるように,基本的に無機質になりがちなセブンのゲーム群に一石を投じるかのようにフレーバーをもりもり盛り込んだ挑戦的な作品でもあります.

単純な数字カードでのプレイで特殊効果を把握するのが大変であったり,いくつかゲームの細かい部分に気になるところはあるとして,プレイしてみると悪くなく,特にフレーバーに関しては非常に楽しいゲームです.致命的な点があるとすれば,インストに膨大な時間がかかることです.しかし,個人的にはインストが本編だとも思っていて(もし端折ったら楽しさ半減!),この作り込みを楽しみとして受け入れられるかどうかが分かれ目になりそうです.興味を持たれた方は,気の知れた面子でぜひどうぞ.


  • 鎮魂歌(レクイエム)が聞こえるか《大賞》

勇気と決断の戦記ファンタジーをテーマとした手札マネジメント・協力ゲームです.

『魔連山の冒険者たち』の続編と位置付けられていますが,最初からこれがあったと言われてもしっくりくるくらい,フレーバー,システム,ボリューム面でまとまったカタチになっています.敵と味方の数字を足して14以上になれば撃退というルールがベースにあり,そのままだと展開が平坦になってしまいそうなところ,前半は友軍の平均値を落としつつ,ストーリーを上手く絡ませながら無理なく後半の盛り上げを作っているのは見事に感じました.

強い友軍がバッサバッサ切り裂いていく爽快な動きもあり,ジックリやるべきところと思い切りよくチャレンジしなければならないところとメリハリもあります.また,マルチエンディングというのも楽しく,王子の能力(や設定)がスートシンボルと対応していて思わずニヤリとしてしまいます.

プレイヤー視点から協力ゲームとしてみたときバランスが悪いこともあるかもしれませんが,少なくとも審査時のセッションでは緊張感をもって楽しむことができました.正直に言えばシステム面ではまだ上を目指せると思います.しかし,ポテンシャルは感じますし,なにより素敵なフレーバーを楽しめつつ,プレイのコストは許容範囲に収まっていることが大賞選出への大きな決め手となりました.


  • 今夜は眠りたい

“このゲームは「ある事件」の謎を解く重要なカギをにぎる<ヒロイン>を巡って、立場の異なる4人の男たちがそれぞれの目的のために奔走する対戦型<人探し>ゲームです。”

ルールを読んで,そして実際にプレイして発見と驚きの連続でした.『魔連山の冒険者たち』とは違ったカードセットの解釈!恐ろしい!恐ろしい!とくにスートシンボル(とそのランクレンジ)に関してここまで踏み込んでしまったことに衝撃を受けました.

多くは語りませんが,『セブン』が好きな方には1プレイの価値はあると思います.


  • セブンダイス《特別賞》

スートに対応する7(色)+1個のダイスを導入してしまった意欲作です.ルール紹介ページではゴーアウトと謳っていますが,手札を減らす方法はラミー系であり,早出し=勝ちとは必ずしもならないためもう一歩ラミー系に寄っています.手札や場札を使ってセットを作るという楽しさと,ダイスによる濃厚な味付けで,新しい面白さを出せていると思いました.色に対応したダイスを導入するアイデアを先にやられてしまった個人的な悔しさはありますが,こういった(必然性のある)コンポーネントを追加するアイデアは推奨している意向もあり,高く評価しています.このアドバンテージに対して相対的には粗削りなに感じられることと,さすがにダイス7色を用意するのが難しいというところがネックとなって特別賞としました.奨励賞というのがニュアンス的には近いかもしれません.


  • ナナちゃん《入選》

強弱がはっきりした族同士のいざこざという,強いやつが強いを地でいくことを許されるテーマ設定がナイスだと思います.セブンのカード特性を無理なく生かしてメイフォロートリテに落とし込んでいます.セブンの特徴のひとつである7のカードをナナちゃんという特別な紅一点にして能力を持たせているのも良いです.

ただメイフォローなので得点のコントロールがしやすくて,点差が付きにくくて平坦な印象があります.それとナナちゃんが地味すぎるのではないかというのもあります.確かに場に対しては影響の強いカードになっているのですが,プレイする本人へのリターンは少ない(かなり安定志向)ので,例えば,リスク・リターン強めの調整になっていると良かったんではないかと思います(うまくいけば平坦な印象も和らぎそうな気もします).

こでも本当はトリテ巧者と遊んでみたい一作です.


2016年12月21日水曜日

第11回「イリクンデパーティ」のお知らせ

第11回イリクンデパーティ開催です!久々の土曜日開催ですので次の日ゆっくりできますね!

参加者を募集します。

日時:

  • 2016年1月28日(土)10:00-20:30(途中退場OK)

場所:

  • 曳舟文化センター第二会議室(以後アナウンスがなければ現地集合です)
  • 京成曳舟駅から徒歩1分。東武曳舟駅から徒歩4分。

参加費:

  • 500円(場所代とお茶代等にあてます)
  • 参加者多数の場合はいくらか下がると思います。

参加表明:

人数把握のためメール(yirlikumde(あっと)gmail.com)かメンバーのtwitter(@sounio120など)など、前もって一言いただけると助かります。どうぞお友達とご一緒に。

遊ぶゲーム:

  • こちらでも楽しいゲームをいくつか持ち込みますが、あまり多くは持っていけそうもありません。 持ち込み大歓迎です。自作ゲームのテストプレイもご遠慮なく!
  • 【暫定持込リスト】平衡感覚ビーチバレー、あーすぱわーカードゲーム、マカバナなど。随時更新。

開催予定イベント:

平衡感覚ビーチバレー全国大会

あーすぱわー大会

何かプチイベント案がありましたらご相談ください!

 

それでは皆さん、よろしくどうぞー

これまでのイリパの様子

2016年12月9日金曜日

『グラグラケイヴ』ってどんなケイヴ?

基本情報

タイトル:グラグラケイヴ / Gura-Gura Cave

プレイ人数:3~5人

プレイ時間:60分~

ジャンル:鉱山都市ボードゲーム

作:yio / Yirli'kumde

グラグラケイヴ

用具

ケイヴボードA&B

ダイス 6(赤2,茶4)

ノームコマ 35(5色×7個)

ゴブリンコマ 6

鉱物カード 62

モールカード 24

初期アイテムカード 5

紹介

グラグラケイヴはアブナイケイヴです.いつもグラグラ揺れるからドワーフたちは近づかなくなりました.いまその豊富な資源を集めるのはもっぱらノームの役割です.

グラグラケイヴでは,自分のノームを操り,洞窟の崩落や洞窟に棲みつくゴブリン,他のノーム達をかいくぐり,良い鉱物を効率的に集めて,それと引き換えにドワーフやドラゴンのアイテムを上手にコレクションすることが目的になります.

基本的には,(1)鉱物を集める,(2)鉱物とアイテムを交換することでゲームが進みます.7体のノームをどうマネジメントするかが主眼のオーソドックスな仕上がりです.

グラグラケイヴ

各要素の狭間であえぐ

基本はオーソドックスですが,我ながらカラい調整になりました.

一つ目はランダム性との戦いです.

ノームの役割は洞窟へ鉱物を採りに行かせることと,鉱物の見張り番をさせることです.

洞窟へは手番ごとに1か所までしか行かせることが出来ず,洞窟から戻るのはいっぺんに行うことが出来るので,ある程度行かせてから一気に戻すのが効率的な動きです.しかし,長く洞窟にいると徐々に価値の低い鉱物が溜まってくるうえ,ノームは価値の低い鉱物から持ち帰るというちょっと厄介な性質をもっています.また,狙った洞窟に行くためのリフトが必要ですが,リフトはダイスで,出目が悪ければ行くこともままなりません(深いところへ行けるリフトなら浅いところへも行けるのでそんなにキツくはありません).鉱物は個数もある程度必要なので価値の低いものもバカには出来ませんが,できれば価値の高いものを多く,効率よくとりたいところです.長く洞窟にいるともう一つ悪いことが起こります.それが崩落です.一定個数以上の鉱物が溜まると危険域で,その洞窟が揺れると崩落し,取り分がなくなってしまいます.狙った洞窟にある鉱物の価値が下がる前に戻ってしまうか,粘って多くの鉱物を一気に持ち帰るか,まずはランダム性との戦いです.

二つ目は,インタラクション性との戦いです.

このノーム達,実は結構平和的で,使われなかったリフトは以降の人が使うことができますし,同じ洞窟にいる人の分がなくなるように鉱物を持ち帰ることは出来ません.・・・裏を返すと,次の人のためになるようにリフトを残さないように注意しなければなりませんし,価値の高い鉱物をまんまと持って帰らせまいと洞窟にノームを送り込むべきです!そうこうしているうちに,崩落の危険域が近づいてきます.臆病なプレイヤーはノームを引っ込めるでしょう.彼らは価値の低い鉱物を掃除してくれます.そうなると崩落の危険も薄まるだけでなく,価値の高い鉱物ばかりが残ることになります.さあ我慢比べのはじまりです.

さてしかし,鉱物とアイテムを交換してくれる各々のドワーフは最初に訪れた一人にしかアイテムを譲ってくれません.価値の高いものを持っていてもそれを欲しがるドワーフがいなければ宝の持ち腐れですから,欲張らずちょうどいい分だけの鉱物を集めるのが理想的です.

もちろん,鉱物の獲得は不安定ですから,後から出てくるドワーフのためにいろいろな種類の鉱物を前もって備えておくのも一つの手です.ですが思い出してください.そんなにたくさんのノームを鉱物の見張り番に使ってしまったら,誰が洞窟に行くのでしょうか?

運ばかりではない

ダイス目,カードの引き,この二大運要素のあるグラグラケイヴですが,運ばかりではありません(弁解します!).

まずダイスが崩落するかどうかは,誰かがリフトを準備する際に振るダイスの出目により決まります.ただし,6個あるうちのダイスのうち2つが”グラグラダイス”と呼ばれ,洞窟の揺れを引き起こします.言い換えれば,このダイスが振られなければ洞窟は決して崩落しません.なるべくグラグラダイスをストックに置かないように(このダイスのリフトを選択しないように)すること.そもそも相手の手元にフリーのノームがいなければダイスは振られないため,「いま安全かどうか?」を場や他プレイヤーの動向をみれば見極めることができます.

次に,カードの引きによって鉱物の価値が下がるのかどうかは,デッキの残りカードによります.価値の低いカードは各種で高々3枚ずつしかありません.このくらいならカードカウンティングでなんとかなるんじゃないでしょうか???!

まとめ

グラグラケイヴは7体のノームをマネジメントし、鉱物を集め、狙ったドワーフからアイテムをもらったり、そのアイテムも利用しつつたくさんのアイテムをコレクションして、ときにはドラゴンの宝の地図を手に入れたりしながら、他の誰よりも勝利点を稼ぐことが目的のゲームです。

遊び方説明書

頒布について

ゲームマーケット2016秋イベント価格,3,000円で頒布します.

※「しまんちゅ」で使えるプロモーションカードつき!(予定)

プロモーションアイテム

ゲームマーケット2016秋にて下記のカード5枚を配布しました.グラグラケイヴで使えるボーナスカードです.詳細は下記の通りです.

grgr_prm

  • 【準備】の追加手順

ゲームの準備で,5枚のボーナスカードをそれぞれ表と裏のどちらの面を使うかランダムで決めます(※いずれかの面の使う枚数がプレイ人数を超えないようにしてください).話し合って決めてもいいです.

使う面を決めたらその面を上にしてボードのそばに置いておきます.

  • 【ドワーヴンモールに行く】の追加ルール

新しくアイテムを獲得したときに手元にあるアイテムを確認します.

①5種類のアイテムが揃ったら,準備で表面にを上にして置いたボーナスカードの中から最も数字が小さい1枚を獲得して,手元に置きます.

②いずれかの種類のアイテムが3つ揃ったら,準備で裏面にを上にして置いたボーナスカードの中から最も数字が小さい1枚を獲得して,手元に置きます.

ゲーム中,獲得するボーナスカードは①②で各1枚までです.ボーナスカードに記された星の数字がゲーム終了時の得点に追加されます.条件を満たしたときボーナスカードがなければ(元々なかったり誰かに先に獲得されたりした場合)獲得することはできません.

2016年9月20日火曜日

第10回『イリクンデパーティ』+第1回『セブンを遊ぶ会』レポート

去る7月16日記念すべき第10回目となるイリクンデパーティが開催されました.併設で午後の数時間はセブンを遊ぶ会が行われました.

さて最近私自身かなり慌ただしいのもあるが,当日の写真を全然撮っていなかったのもありなんとなく筆が進まなかったのだが,いよいよ記憶が薄れてきたのでいい加減レポートしておきます.もう二か月前だよ!(逆ギレ)

参加者は合計10人でした.それではいつものようにゲーム紹介をメインに.

 

  • バウンス・オフ!

はじめて利用する会場で,久しぶりのイリパ,そして初めてお会いする方を交えてまだ堅い場を温める意味でオープニングはなんとアクションゲームのバウンス・オフ!

バウンス・オフバウンス・オフ

付属ルールなんてあってないようなものだ!カードで指定された形に自分のコマを並べて得点を稼いでいく.ペア戦!

ここまで聞くとアブストラクト?なのだが,コマは出来の悪いピンポン玉のようなボールで,手前にワンバンさせてマスに入れる必要があるのだ.なんとも単純な五目並べバリアント.

しかしこの単純さがアクションゲームならではのとっつきやすさと盛り上がりと闘志を引き出す!ちょっとずつ上達していく(気がするだけ?)のもまたエキサイト.

さらにペア戦はとても正解!

技術力ちょっと運ちょっとがちょうどいい塩梅で影響するゲーム性が連帯感を生みだします.

ナイスなオープニングゲームでした!

・・・って別のログを確認したらこれ全然最初に遊んだゲームじゃなかった・・・なんたる記憶の薄れっぷり^^;

 

  • ヘックメック

色々ダイスゲームやってきてやっぱりヘックメック良いよな~,なんて思ってるんですが,実は細かいルールが結構ややこしかったり.というか正しいルールを何度も覚えるんですけど,なかなか定着しないっていう・・・汗

ヘックメックヘックメック

普段から「■■というゲームは○○だから楽しめなかった!と理由をつけて発信してこうぜ.」という精神を密かに広めようと思っているんですが,これにはいくつか理由があって.

その一つにルール解釈のミスを発見するためという意味があります.正しくないルールで遊ばれれば本来の面白さが引き出せない,というのはきっと真で,「○○だから楽しめなかった!」という感想を見たルールをよく知る人が「(この感想では○○と言っているけど,それはもしやルール間違いでは?)」と感じて指摘してくれれば,ルール(の記述)が分かりにくくて埋もれるゲームが減るのではないかと.

それはそれとして,ヘックメックはちょっとくらい間違えても楽しめている(?)ので,頑健性が高いな~と思っていたりします.たぶん,ダイスをじゃらっと振ったり,確定目をえいやっと選んだりの行為が単純に楽しいからなんではないかなと.その結果はすぐに出るし,少人数なら(私は大人数でほとんどやりません)収束性も良いので楽しんでいるうちにすぐにゲームが終わる.なのでもう一回!となる.

タイルの質感も言わずもがな.

 

  • セブン杯

セブン杯

というわけでセブンのお時間がやってまいりました.

イリクンデパーティはたくさん遊びたい人向けに10時から20時までにしましたが,セブンを遊ぶ会は12時から16時としました.一つのゲームでどれだけ遊べるか不安もあったので・・・汗

せっかくなのでポイント制の大会にしました.

プレイ人数と順位によってポイントが付与されて,ゲーム毎に1回ぶん(最高点)だけがポイントになり,時間内にプレイ出来たゲーム全部の合計点で競うというものです.行きの電車の中で考えてはじまってから調整した(ぉ

セブン杯

というわけでド本命のあの方が優勝されましたが,いくつか用意した景品の中で,目論み通りの景品を順当に選んでいただいた結果,無事2セット目のセブン(の入った宝箱)を贈呈できました.めでたし(笑)

(二位,三位の景品もグッズとしては良品なのでぜひ楽しんでいただきたい!)

 

ちょっと思ったんですけども,セブンはまだまだ全然浸透していないゲームなので,「セブンを好きな人が集まってセブンを遊ぶ」 というのを趣旨としてゲーム会を開くというのはまだあまり現実的ではないのかなと感じました.

どちらかと言えば「セブン体験会」が必要なのではないかと沸々と感じました.実現は大変だと思いますが,機を見てやっていきたいのでここにメモしておきます.

ひとまずは目先のセブン創作ルールコンテストの審査とセブンベストセレクションの編集を頑張ります.

 

それで私は8/10位だったわけですけど,皆さんが結構な量のゲームをやっていた間何をやっていたかというと,セブン持ち込み新作のテストプレイ&改良をしていました.

持ち込んでいただいた方は初めてゲームを作ったそうです.しかしそれよりもその方は「七七牌」をゲームマーケットの現地で見かけて手に取ったのがセブンとの出合いだと言いました.そんな出合い方もあるんだな!とすごく驚きました.そして,ルールを考えてもらっただけでなく,セブン会にもきていただいたし,そんなお話も聞けたので非常に嬉しかったです.きっかけを作ってくれた吉々庵さまにも感謝!!

おっと,肝心の持ち込んでいただいたルールですが,なんとも奇抜なもので,自分が思いつかなかったのが悔しいくらい!そんなセブンの拡張ゲームです.コンポーネントの準備が大変なので見る人によれば邪道?かもしれないですが,僕は全然ありだと思います!

その後,改良と完成の報がありました!ルールはこちら!→セブンダイス

 

んん?!うっかり忘れるところでしたが,もう一つ持ち込みの新しいルールで遊ばせていただいていました.

こちらはセブンを拡張することなくそのままの特徴を巧く捉えたゲームで,手軽さと緊張感を併せもったとても良いルールでした.ルールも公開されているのでぜひお試しください!→カウントダウン

 

  • イリクンデのゲーム体験会?

バッカニーアやしまんちゅを作者のインストで遊んでもらいました.

この日は結局ウチのゲームばかり遊んでもらってしまいましたけど,少し悪かったかなーと思いつつ,本当にありがとうございました.

 

  • スカイ島

スカイ島

私はスカイ島で締めくくり!

SDJ/KDJが発表されてからは初プレイでしたが,やっぱり値付けと買い順のシステムは奇抜ではないのだけど,絶妙だなーと思いました.悩ましいです.

前プレイしたとき感じたように,やはり目指すべきはスクロールよりラウンドの点数でした.それをちゃんとした先にはちゃんとスクロール点も利いてくるんだと思います.

道を繋げることにあまりインセンティブがないのですが,「道は繋げるもの」と刷り込まれている我々にとって道を繋げなくても良いというルールはなんともモヤモヤしてしまうものです.それに対して,道を繋ぐと良いことがあるような拡張の発売が予定されていることをどこかで耳にしたので,そちらにはとても期待してます.もう少し楽しげな得点方法も増えるといいなーと思います.ややダブつくお金の使い道が増えたりとか?

 

終了後はロイホでお食事.ゲーム作りなど色々な話ができて良かったです.

皆様ありがとうございました!

カレー

 

この他のレポートなど

2016年7月13日水曜日

第10回「イリクンデパーティ」のお知らせ

ついに10回目!第10回イリクンデパーティ開催です!

第10回は『セブンを遊ぶ会』との拡大開催です。参加者を募集します。

日時:

2016年7月16日(土)10:00-21:00(途中退場OK)

ただし、12:00~18:00(予定)の間は『セブンを遊ぶ会』になります。

場所:

会場:ユートリヤ すみだ生涯学習センター[別館] 講習室A

utoria_bekkan

 

参加費:

お1人様:500円(子ども無料)

開場費用とお茶代にあてますので,当日にお支払い願います.

※参加人数が多ければ減額することもあります.

※『セブンを遊ぶ会』と併せての参加費です

参加表明:

人数把握のためメール(yirlikumde(あっと)gmail.com)かメンバーのtwitter(@sounio120など)など、前もって一言いただけると助かります。どうぞお友達とご一緒に。

遊ぶゲーム:

  • セブンを筆頭に比較的シンプルなゲームやコンポーネントに良さを感じるゲームを中心に持ち込みます。
  • 【暫定持込リスト】インホテプ、スカイ島、コンプレット、SET、TENNOS、など。随時更新。

 

それでは皆さん、よろしくどうぞー

これまでのイリパの様子

記事を投稿
/* Google Analytics Code ----------------------------------------------- */