今回は3/1がちょうどGM大阪ということで,その裏で開催する予定だったのですが(ぇ),1か月以上前に電話したにもかかわらず会場が予約できず,泣く泣く次の週に変更して無事(?)TTPさんの裏での開催になりました.
お蔭さまでGM大阪の新作もプレイすることが出来たし,告知も1週間早まったからか,たくさんの方に参加していただけました.
数えてみると今回集まったのはなんと14人!過去最高でした.
これまでのイリパ皆勤賞のショーナンは不参加でしたが,代わりに送られてきた埼玉からの四角,いや刺客,ことロッカクだんごのだんごさんとショーナンのグラムさん含めて,初参加者は5名でした.
場所を前回から全く新しくし,埼玉と東京の狭間で行ったのも要因だったでしょうか.
さて遊んだゲームについて書いていきましょう.
このゲームはコンポーネント原案が私yio,ルール作成が操られさんこと常時さん,それに素敵絵師のわとさんを加え,高天原さんによって世に産み出された東西合作の一品です.
なぜこんな複雑なことになったかの経緯などはそのうち誰か気が向いた人が書くとして,上のように紹介されるたびに私が非常にこそばゆい思いをしてきたのでもうやめてください.
このゲームの紹介は前の記事で触れたのでバッサリと割愛しますが,面白さの功績は全て常時さんにあります.すごいですね.感心しきりです.
製品化に伴い雑務をこなされたたなやんさんと,素敵なイラストを提供して下さったわとさんも大変お疲れ様でございました.
この日は私自身は初めて製品版のコンポーネントでプレイしました.
さっぱりとした部族カードと対比されて紋章カードの存在感はバッチリで,それを集めたくなる感じは高いです.
このあいだ,3人でプレイする機会があったときより,人数が多い分,誰がどのカードを持っているかが読めなくモヤっとした感じで終わったんですが(負けたし),チームメイトとの連携がたまたま上手くいかなかったせいと思っていたんですが,この理由にあとで気づきました.
ディール最初のチームメイトとのカードの交換をやっていなかったと.
完璧に私のインストミスでした.やっちゃったな~・・・.
でもまあ,私トリテ苦手なんだけども,このゲームでは勝つために何とか足掻ける気がしていて,トリテ入門にいいな~とずっと思っています.お試しあれ.
- 正体隠匿ゲームテストプレイ(ショーナン)
詳細は伏せますが,秘密裏に役職と特殊能力を1つずつランダムに受け持って,役職に応じて2チームに分かれる正体隠匿のゲームです.
基本2種類のアクションとブラフを巧みに操っての短期決戦のゲームです.誰か決定的な行動をとったら最後,アッと言う間(もって1巡)に決着がつきます.
この正体が暴かれるかどうかの瀬戸際から始まる感覚は前作『蜃気楼の12時間』をよりシャープに絞られたもののようで,そこまで来たところで,『赤富士』(すぷりんぐまん作)というゲームを思い出しました.そちらはアクションの種類がダイスによって決まるダイスゲーなので運もあり個人的にはダイスゲーの方が好みだったりします.
このままでも悪くないと思うけどショーナンならもっと磨いて来れるはずです.
発売年を見ると2011とあります.ラブレターやプレゲームMajority2もこの辺だったように記憶してます.おしゃれ封筒パッケージ,流行だったんでしょうか?
ペーパークラフトのテーブル(4x4マスのボード)の上に,これまたペーパークラフトの茶器や花瓶など(コマ)を並べていくゲームです.組み立てたコマの底がちょうどボードに空いた穴に刺さるようになっていて,穴に刺さない限りコマは安定しないので,そのあたりがテーブル上に並べたい欲を掻き立てます.
2~4人用の4目並べですが,並べるべき4つのコマはアガり役として色や種類で指定されています.それも複数あって,例えば全部同色とか,全部違う色とか,カップ+カップ+ポット+ポットとかそういう感じです.さらに各人その人だけがアガれる役カードを秘密裏に1枚持っています(誰かの手番で役が完成したらアガれます).
ポイントは手番の人が好きなコマを選んで置けるわけではないところで,置くコマは前の手番の人が選びます.
前半は,まあ,誰もアガらないように気を付けながらコマを選ぶし,場所を選んで置くんですが,後半は置ける場所が狭まってくるので避けられなくなってきます.ようはこの終盤への持って行き方に苦悩するゲームになるわけです.中々多人数でもちゃんと遊べそうなアブストラクトゲームだと思いました.
何よりペーパークラフトの見た目は良いですし.
1点気になったのは,個人の役カードが配りきりという点です.全部配りきりなので,自分が持っていない役は誰かしらのアガり役になることが決まってしまうので,必ず避けるべき対象になりますよね.これだとあまり共通役と区別されないと思います.なので役をもうちょっと増やすとかですかね.そうすると,置き方を見てどの役を狙ってるか推理する意味も出てくるんじゃないかなと思いました.
まあそれよりも,まずは,4人プレイの場合はチーム戦にしたら間違いなく普通に遊べると思うのでそれだけでも良いかもしれません.(3人プレイなら役カードは必然的に余るので問題なし.)
手札を配る前に1枚だけ抜いたカードが何かを推理するゲームです.
落ち着いた和のテイストのアートワークで,推理というゲーム性もあってまったりと軽いゲームなのかと思いきや,推理力以上に記憶力が要される大変なゲームでした.
しかも,ゲーム終了条件に達するまで,数ラウンド繰り返す類の記憶ゲーです.こりゃあ大変.
実はそんなに記憶力のゲームじゃないんだよ,っていう主張もあるかもしれませんが,ならば私にだけメモ用紙とペンを下さい(笑).
ルール自体は至って簡単で,手札の構成に関する2種類の形式の質問のいずれかを任意の相手に向けてしていく,という手番を繰り返すだけです.
カード総数も少なめでルールも少なめで,しっかりと推理,記憶のゲームを遊べるという点では中々良いゲームなのではないかと思います.
覚えるのにテンパっていて写真を取り忘れたので,代わりに推しゲーのレア版(初版?)の写真を載せてお茶を濁します.
箱がたいぶ小さくてかわいく,中のカードもプリンタ印刷(?)な装いでした.貴重なものが拝めました.そういえば特殊ダイスはどうなってたかな・・・?
あっとよく見たら「忍者大戦」になってますね.
- ドラゴンクエストカードゲーム大格闘技場
ドラクエのモンスターがそろい踏み,ファンには嬉しいキャラゲーです.私はドラクエ未プレイでファンではありません.が,「バト鉛」の影響でちょっとだけ親しみがあります.
ゲームはビッド式のトリックテイキングゲームです.マストフォロー,と言えなくはないですが,1枚のカードにとりあえず全スートの強さが書かれているのでフォローできない場面はありません.リードプレイヤーが上から何段目の数値で勝負するか決めて,全員1枚ずつ出して進めます.
ビッドは手札を見て何勝できるか宣言して,的中すればボーナス10点が得られます.それに加えてトリック数がそのまま得点になります.
フォローのルールは直観的でわかりやすいですね.元々こういうルールのトリテがあって,スートが1つずつ書いてある今のトリテが生まれた,と言われても納得してしまえそうな感じもします.
プレイ感は別に普通です.
絶対勝てるカードが1枚あるので,それで嫌がらせを受けた不運な人はビッドを外して凹むことでしょう.今回はそういう意地悪も起きず平和でした.
- 教授ヘアーサロンへようこそ(植民地戦争+α)
植民地戦争+α,エヌ氏の次期新作ゲームです.
カードもパッケージも刷り上がっていてすでに万全?といった感じでした.早い.
以前にテストしたときは,テーマがありませんでしたが,私の予想の斜め上を行く,コミカルなテーマが乗せられていました.
なぜこのテーマになったかは全くの謎です.謎のままにしておきましょう.
計算ゲームです,手早く計算をして自分を有利な状態にして手番を終えましょう.なぜ手早く計算するのか? 砂時計があるからです.
砂時計がなければ,様相は一変し,囲碁のようなアブストラクトをしている気分にすらなります(yio談).砂時計の導入により,一転して慌ただしくなったそのゲーム性は今回加わったテーマとマッチしているように思います.
- ブループリント(Z-man)
ダイスを積むゲームです.
手番では共通のダイスストックから1個とり,自分の青写真カードの上に建物を建築するかのように積み上げていきます.
ダイスの上にはそれより目の小さいものは重ねられないという制約の中で,青写真通りに建てるゲーム,かと思いきや,ボーナスポイントが入るだけで,基本的には,置いた6個のダイス1つ1つがポイントを生みます.例えば,緑なら緑の個数が多いほど高得点,黒は高い位置に積まれるほど高得点,白は目がそのまま得点,などです.
各ダイスのポイントにボーナスを加えた建物全体の合計ポイントで他のプレイヤーと競い,高い人から順に3,2,1勝利点を得ます.これとは別に共通目標が4つあり,それぞれ達成するごとに2勝利点を得ます(達成している人が複数いたらタイブレーク判定で1人に決めます).
これを3ラウンドやるだけです.超シンプル.
時には青写真を無視して建設した方が強い場合もあったり,建物得点を捨てて共通目標に狙いを絞ったりしながら,うまくダイスをドラフトしていきます.次に取ろうと思っているダイスが自分の番まで残っているか待つ時間がすごくドキドキです.逆に手前のプレイヤーの補充ダイスで一喜一憂できます.
上の画像は,たくさん集めるほど高得点の緑のダイスだけで構成され,青写真通りに建てた,さらには共通目標である「同じ色5個」と,「全ての目が異なる」,を同時に達成したという中々スゴイ建物です.
ラウンド間の持ち越しの要素も特になく,遊びやすく,ダイスを積むのも単純に楽しいのでこのゲームはナイスな日本語化だったと思われます.(言語依存もないダイスゲーなのに日本語化w と思っててすみませんでした.)
- スチールドライバー(Treefrog)
スチールドライバーやりたい心が読まれていたのか,たまたま持ち込まれたこれを嬉々としてプレイしました.5人で.ただ知っていたのはネットワークビルドの株ゲーというくらいの情報だけでした.このあいだプレイした,アメリカンレイルズと比べる意味でも,そろそろワレスゲーム(の中でも軽い!)に手を出す意味でも興味があった一作でした.
色々な地域の都市に万遍なく路線を敷いた鉄道会社(=収益の多い会社)の株を手に入れること,また手に入れた会社がそうなるように努力することを目指すゲームです.一言で言うと.
長くなるし,しても伝えられないと思うので内容は詳しく説明しませんが,このゲームは終了形から作られたのではないかと推測しました.
一般的なこの手のゲームは後半に従って徐々に収益(あるいはその発生源)を獲得して成長していき,その会社に投資することで配当を得るという形式だと思います.
このゲームではゲーム中,路線を延ばすことで最後に獲得できる収益を「可能性」として,積み重ねます.この可能性は強いインタラクション(=プレイヤーの意志)を通して最後に収益として確定します.ここで意思表示できるのは最終的な筆頭株主のみです.交渉次第では,他者の筆頭株主と収益を分かち合うことも出来ます.さらには2社以上の筆頭株主となれば,各社の収益の獲得を自分の都合が一番いいように操ることが出来るようになります.株の持ち合いでWin-Winを狙う半協力的なゲーム性はアメリカンレイルズをプレイしたときにも強く感じることができましたが,スチールドライバーでは最後の強いインタラクションへ大きく影響するという点でより一層の焦点となっているような気がします.
一方では,それを予見し制御するスキルも必要になるので,ヌルゲーマー(=私)などでは到底,底までを味わうことが出来ないゲームです.それでも良作だと感じました.
こういうゲームでちゃんと勝負ができるようになりたいものです.
- マカバナ 2013年版(Sweet games)
最近になって,新版のルールに読み落としがあったことを知って,日本マカバナ大使を自称する私は愕然としたものですが,めげずに立卓しました.
読み飛ばしていたルールというのは,「ゲーム開始時に1人1個ずつ合計2個の小屋を好きなところに建てていく」というものです.(その他の新版のルールは前の記事を参照して下さい.)
これは私も気になっていた部分で,アリな追加ルールと思います.というのも,序盤,小屋がが建っていないプレイヤーに対するブロックはほとんどあてずっぽになって駆け引きをする余地がほとんどないんですよね.そういう中で万一ブロックされたプレイヤーは小屋がない状態が継続するので泥沼になり,出遅れるという構図があります.これに対して,最初にブロック無しで好きに置くというのは簡単な解決法だと思います.
ただ,私は「ゲーム開始時に任意の場所にコマを置く」という処理がどうにも好きじゃないので採用しませんでした.小屋を建てる楽しみも2個分減りますし,なにしろ初プレイの人が多かったですから.
その割に,結果的には4人それぞれ16-15-15-14得点という大接戦となりました.建てた小屋数は全員バラバラでしたが,一番小屋を建てたプレイヤーはビーチマジョリティを逃し,少ない人は隣接ボーナスで多く稼げていた感じでの均衡です.
トップをブロックするような戦略をベースとして,ビーチマジョリティのライバルをブロックする戦略とが上手くバランスされているなと,今更ながらに感じられました.トップと絡むとロクなことがないということも今後,肝に銘じておこうと思いました.
あと,インストもっと上手くなりたい.
- オロンゴ(Ravensburger)
このゲームは第一報を聞いた時から,クニツィアの超傑作キタ!しかもモアイだぜ!!と興奮したものの,BGGの(?)プレイ写真を見る限り,どうもコンポーネントが良くなさそうだ,と素直に期待できないでいました.案の定,発売後のシステム面での評判はすこぶる良いもののコンポーネントの悪さを指摘するものがほとんどでした.その評は見立てと丸っきり食い違いはなく,新版が出るまで買ってやるものか!とまで思っていました.・・・しかし他のエッセン新作を消去法していくとやっぱりこれが残り,同時に欠点も愛嬌に見えてきてしまうから不思議です.メビウス便で入ってこなそうなのを確認し,ユーロが安くなった時期を見計らい個人輸入しました.
シンプルで奥深いらしい日本の同人ゲームの作家の**のアナにモアイコマを捻じ込んでやりたくなるくらい,シンプルで悩ましく楽しいゲームです.
リソース獲得を陣取り要素と混ぜ合わせ表現したものは中々なさそうに思いますし,毎ラウンドランダムに現れるリソース(エリアが拡大すると解釈もできる)もゲームの軽さとドキドキ感に貢献しています.さらにゲームの終盤はキッチリと計算して「伸びる」ことも大事といった具合に,ドイツゲーム的なエッセンスが随所に散りばめ,いや,もはやエッセンスだけで構成されているといった具合です.それでいて収束性も約束されていてあっという間に終わります.初めての人がいても気軽にインストできるところも良いですね.ドイツゲーム大賞おめでとうございます!
実際やってみるとやはりコンポーネントに若干の難は感じられましたが,状況確認に忙しいゲームでもないので致命的ではないことが分かりました.
転がってしまう貝殻もそそっかしい人には大変でしょうが,握り競りではこういう立体のほうが,単純に握りがいがありますし,コインなどよりもやり取りが楽しいので,ちょっとぐらい転がってしまうのも多めに見ましょう.(エラそうだ.)
- 大きなつづらと小さなつづらと(MoBゲームズ)
「3,4人目はおじいさんです」が印象的なゲームです.MoBゲームズは今日も平常運転でした.しかし,すずめが可愛すぎてヤバイ.
アートワークは7つの紋章でもお世話になったわとさんでしたよね?確か.ゲーム毎にちょっとずつ違った多彩なタッチで絵を描かれていて良いですね.
周りのみんなが運ゲー,運ゲーいうので,私がストレート勝ちさせてもらいました.大得意ですからね,運ゲー.
このゲームをやっていて強く感じたことは,コミュニケーションは当人達の間で背景を共有(コミュニケーションのベースを確立)しないと成り立たないということです.ドイツゲームは参加者間の会話を誘発する媒介として優れています.それは,魅力的なテーマの設定だったり,興味深いシステムだったり,じんわりとゆっくり楽しむことができる総体的な作りだったり,突きつけられる運命(配られた手札やダイス目)だったりの存在によりゲームに没入する(同背景世界へ入り込む)ことができるお蔭です.
どんなにミニマムなゲームでもそこは必要だなと思いました.
このゲームは小さい子供のいる家族や普段から仲良く遊んでいる固定的なグループなどでは楽しめるのではないかなと感じました.そうでもなければ,なにもなしに「ブラフをしてください」はいささか乱暴です.
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ブログ記事が長くなりましたが,今回はコアタイムを13時~19時としながらも,希望に応じて前後3時間(合計12時間!)も遊べるようにしたので実際にも長丁場でした.しかしそんなことも微塵も感じない,むしろまだ遊び足りないと思うほどに楽しい時間でした.
お集まりいただいた皆様,長い時間お付き合いいただき,ゲームをいっぱい持ち,遠い所から出向いていただいてありがとうございました.
また,どこかで遊びましょう!
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以下,別の参加レポートなど.