基本情報
タイトル:ブラジリア1955 / Brasilia 1955
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:60分~90分
ジャンル:都市計画ボードゲーム
作:yio / イリクンデ
用具
都市ボード 2枚
個人ボード 4枚
資材キューブ 104個
Plan(プラン)カード 36枚
Vision(ビジョン)カード 15枚
プレイヤーマーカー 4色×6個
Money(マネー)マーカー 4個
建設カード 1枚
紹介
※ルールブックはページの下の方でリンクを公開しています.
テーマなど
ブラジリア遷都の街づくりをテーマにしたゲームです.プレイヤーは街づくりに参加する一企業として,政府の依頼をこなすことで,会社の発展と利益を目指します.
システムなど
ゲームのメインメカニクスはドラフトです.カードと固定アクションを1つずつ組み合わせた6つのアクションの中から手番ごとに1つ選ぶことでゲームが進みます.カードは建物を建てる権利などを表すPlanカードであり,表向きの場合は獲得することができ,そのあと裏向きで補充されます.カードが裏向きの場合は,表にして1金を獲得できます.固定アクションは資材の獲得などゲームの進行に欠かせないアクションが実行できます.
固定アクションの側から見ると,組み合わさったカードがその時に必要か否かで価値が揺らぎます.また,裏向きの場合,1金得るだけのため利益は低めで(もちろん1金のほうが良いときもあります),なにより次のプレイヤーに表向きのカード獲得のチャンスを譲ることになるリスクがあります.
カードの側から見ると,公開されたカードの先取りという要素はもちろん,組み合わさった固定アクションがそもそも必要かどうかや,相手にとって重要なカードかどうかにも注視する必要があります.
このように,価値の変化する固定アクションのドラフトという側面と,公開カードの早取り的なドラフトという2つの側面をもつドラフトを1手番で同時に行うゲームです.
得点からみるゲームの構造
決算時の得点
ゲーム中には2回の決算があります. 決算では,Projectの得点,Visionの得点,Specialistの得点という3種類の得点が入ります.
この中で一番大きなウェイトを占めるのがVisionの得点です.次にProjectの得点が大きくなる可能性があり,Specialistの得点は0~5点です.
Visionについてはしっかり話すと長いのでかいつまんで,以下のような基本ルールがあります.
- 誰も出資していないVisionは,共有のVisionとなって全員に得点をもたらす
- 誰かが出資しているVisionは,出資している人だけに得点をもたらす
- 出資にはManager駒を使う
- Visionごとに最初に出資した人だけ即時で3点もらう
Visionはいわゆる目標カードに相当するものですが,誰も何もしなければ平和に全員に点数がもたらされます.しかし,出資すると他のプレイヤーの得点の権利を奪うことができるので,相手を止める動きができることになります.いわゆるカットのような動きですが,lose-loseというわけではなく,最初に出資をすると3点が得られるため,Vision自体から自分への直接の利益が少なくても悪くない行動です.ただし,カットされた側も後から出資することで,得点の権利を取り戻すことができます.つまり後から出資した場合の損益は3点ということになるので,結局この3点を争う先取り(取らないも含む)の駆け引きがVisionによってもたらされるということです.
もう一点,Visionは最初に6枚公開され,中間決算のあとに8枚になります.なるほど,少しずつ公開される仕組みか,といえばちょっと違って,プレイヤーの意志が介入する余地があります.中間決算のあとの準備のルールを少し紹介します.
- 中間決算までに出資がなかったVisionはゲームから除外する
- Manager駒は持ち主の手元に戻す
- 8枚になるまで公開する
このように,ゲーム終了時まで残すVisionを,プレイヤーの出資という行動によって選択することができる仕組みになっています.これは同時に,残したいVisionには積極的に出資していかないといけないことも意味しています.また,中間決算までのVisionをめぐる攻防では,カットする行動が相手にとって利益のあるVisionを残すことにもつながるので,迂闊にはできないことも意味します.
出資するタイミングが重要になるわけですが,出資というだけあり,最大8金所持できるうちの5金が必要ということで,資金の捻出が必要になってきますし,次で紹介するProjectを実施するためのManager駒とここでのManager駒が共用になるため,異なる要素間でのマネージメントが必要になってきます.
こんな感じで,決算を見据えた継続的なマネージメント要素を生んでいるのがVisionです.
一方で,Projectは,建設に波を与えます.実際に波を与えるのは,建設時のボーナス得点とのからみです.Projectの要素が存在しない場合,建設する場所もタイミングもさほど意味はなく,単にプレイヤーの都合の良いタイミングで,建設可能な場所に建てていくだけです.Projectの基本的なルールには次のようなものがあります.
- Project実施にはManager駒を使う
- 決算時に,自分のManager駒が置かれたプロジェクト予定地の周りに,Projectに沿った建物があれば1軒につき2点もらえる
- 建設時に,いずれかのプレイヤーのManager駒が置かれたプロジェクト予定地の周りに,そのProjectに沿った建物を建設すれば2点もらえる
Projectを抱えたプレイヤーの目指すところは,決算時に自分のプロジェクト予定地の周りに,所望の建物をたくさん建てていることです.一方で,建設時に他のプレイヤーは,Projectに沿った建物を建設し2点もらうか,Projectに沿わない建物を建設して妨害するかという2つの戦略をとることができます.協力する場合は自分に2点,相手にも2点でwin-winの構図になるため,積極的にとって良い行動です.自分が建設できる種類の建物でない場合は,他のプレイヤー同士でwin-winにされないように妨害することも大事です.もちろん,Projectを抱えているプレイヤー自身が,建設時・決算時両方の点数をもらうことも可能なので,最優先で狙うべき戦略の一つになります.
Project予定地にManager駒がない場合(まだProjectが実施されていない場合)でも注意が必要です. 特定のProjectの要求に沿う建物で1つの予定地の周りを固めてしまうと,後からProjectを開始しただけで,最大8点をほぼ無償でもらえるプレイヤーが出てきますので避けるべきです.こういうこともあり,Projectは建物を建設する場所・タイミングどちらに対しても大きな意味を付加します.
Specialistは雇った回数に応じて,点数が得られます.実際,点数がなくてもSpecialistを有効活用することは強い行動ですが,よりわかりやすくするためのガイドの意味も込めて1点ずつ得られるという設定にしています.
決算以外の得点
決算以外の得点機会は4つあります.
Visionへの出資による得点と,建設時のボーナス得点である,Projectによる得点,特別な建物による得点,連続建設による得点です.
Visionへの出資による得点とProjectによる得点は前述の通りです.その他のボーナスは,デザインとしてなくてはならない要素ではないですが,総合的にあったほうが良くなるとの判断で導入しています.詳しくは省きます.
遊び方説明書
https://drive.google.com/drive/folders/1p6Cm7cUTmHK1exDqIRlNm1de7x12YI0u
Googleドライブに説明所のpdfファイルがあります.既に印刷済みの現物のルールと違い,適宜最新版にアップデートされます.
TTS(Tabletop Simulator)
Tabletop Simulator(Steam)で遊べるデータも公開しています.
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=3330738028
Q&A
- Q1:個人ボードのスロットから破棄にする時は、サブPlan置き場か捨て札置き場のどっちに置いたら良いか?
説明書の記述不足でした.カードを破棄するときはいつでも,空いているサブPlan置き場に置き,空きがなければ捨札置き場に置いてください.受注時と同じルールです.
随時追加...
頒布
『ゲームマーケット2024京都in京まふ』で頒布しました.今後の予定は今のところ決まっていません.
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